何年から何年、みたいな区分けはわからないけど、とにかくコロコロコミックは「時期」みたいなのがあると思うんですね。
最初期のコロコロは間違いなく「藤子不二雄マガジン」の様相を呈してました。「ドラえもん」だけで100ページ以上、同時に「オバケのQ太郎」や「パーマン」の復刻がそれぞれ数本、さらに完全新作の「ミラ・クル・1」まで掲載されてたんだから。
徐々に藤子不二雄マガジンの要素は薄れていき、藤子漫画を中心とした児童漫画マガジンになっていった。そしてこの頃からホビー情報に力が入りだし、次の段階として児童向け総合マガジンになる。
さらには主がホビー、従が漫画、といった体制に近くなり、こうなると児童向けホビーマガジンになった、といってもいいでしょう。
それ以降、多少揺り戻しがあって漫画が中心になったり、相変わらず藤子漫画の復刻掲載は続いていましたし、まァ、児童向け総合マガジンくらいにまで戻ったはずです。
ちなみに今はぜんぜん知りません。
1970年代後半の創刊なのですから、かれこれ40年近く続いている老舗雑誌になりおおせたわけで、2000年代に入って以降、往時のコロコロを懐かしむという風潮が出始めました。
アタシがマイサイトをはじめた2003年には影も形もありませんでしたが、2007年には「熱血!!コロコロ伝説」なる、かつての読者のために、かつての掲載作品を復刻・再構成した雑誌が登場したほどです。
さらに今は、昔の作品の復刻掲載ではなく、完全新作、しかし対象はかつての読者(つまりオトナ)、という「コロコロアニキ」なんて雑誌が刊行されている。
その中には、「とどろけ!一番」というトンデモ漫画を描いていたのむらしんぼが「あの頃」の熱き時代のコロコロを漫画で振り返る趣旨の「コロコロ熱血伝説」という作品まで掲載されているのです。
何しろ40年もの歴史があるのです。だから「あの頃の」コロコロといっても、世代により受け止める時代はマチマチなのですが、それでも、やっぱ、1980年代前半のコロコロが一番アツかったと思う。
それはアンタの世代だからだろ、と言われるかもしれませんが、実際のところ1980年代前半というとアタシは中学生~高校生で、ぜんぜん世代じゃないのです。
それでも、中学生になっても、本来小学生向けであるコロコロを卒業できなかった。それはアタシが藤子ファンだったということもありますが、藤子作品以外にも面白い作品がいっぱい掲載されていたからです。
まだこの頃はホビー情報も少なく(皆無ではなかったけど)、純粋な漫画雑誌でしたから、連載されている漫画が面白くなかったら買い続けるわけがないのです。
もっとも印象に残っている作品は、というと、もうしつこく書いている「金メダルマン」(なんか同名の映画が出来たみたいだけど、もちろん無関係)なのですが、もういい加減しつこいので言及しません。
他は、先ほど名前を挙げた「とどろけ!一番」もですし、「ゲームセンターあらし」、「ゴリポンくん」「ザ・ゴリラ」、「あさりちゃん」、「リトル巨人くん」、「名たんていカゲマン」、「ザ・ウルトラマン」、「がんばれ!ドンべ」、「アカンベー」、「ロボッ太くん」、「超人キンタマン」その他その他。
藤子作品以外の藤子関連作品もいっぱい掲載されていて「フジコフジオ日記」、「ドラえもん百科」、「藤子不二雄物語・ハムサラダくん」、「藤子不二雄のまんが入門」といったあたりです。
正直、このうちのどれかについて、たとえば実はひそかに好きだった「がんばれ!ドンべ」なんかについて詳しめに書こうかとも思ったのですが、当時の連載作品を書き連ねてみて、その考えを捨てました。
はっきりいえば、藤子作品以外、世代を超えて読み継がれるべき、と思える作品は見当たらない。つまりここで、いくらアタシが思い入れたっぷりに「推し」ても、何の意味もない。
上記の作品群は、ある種の共通体験でしかない。散々語られてきた、この世代の共通体験である「ゲームウオッチ」や「馬鹿デカいラジカセ」や「ガンプラ」や「スーパーカー消しゴム」みたいに語られすぎてない分、もっと懐かしいし、秘め事的なニュアンスさえ漂う。
今後、生きているうちに、あり得ないとは思うけど、一度でいいから「がんばれ!ドンべのアケミ、色っぽかったよなぁ!!」と、誰かと語り合いたい。
しかし、現実的に考えて、やっぱり不可能です。たしかに同世代の人と話すことも、そしてその人がコロコロを読んでいた可能性も、大いにある。そういう意味では十分共通体験として成立します。
だけれども、いったいどうやって「あの頃のコロコロ」の話題に持っていく?つか作為的に話を移動させた時点で、もうダメです。それじゃ、オタクの会話と変わらなくなる。もっといえば、どっちが知識があるかって話になっちゃう。
そういうんじゃ、ないんだよね。そもそもコロコロ自体が軽いんだから(重量は重かったけど)、思い出話も、オタク的知識は極力排除して、できるだけ軽くしなきゃ。それが元コロコロ読者の義務ってモンでしょうが。