くだらねぇ、からはじまる
FirstUPDATE2016.12.30
@Scribble #Scribble2016 #インターネット #2000年代 単ページ SMAP 2ちゃんねる 無理矢理 某巨大掲示板

明日は大晦日ですので、もうここの更新も年内あと二回になりました。なので、少しばかし硬めのこと、というかジジイの繰り言みたいなことを書きたいと思います。

エントリタイトルはまるでエレカシの歌詞(お、ダジャレになった!)みたいですが、話題は2ちゃんねるについてです。
最近ね、2ちゃんねる閲覧(≠まとめサイト)を復活させようと思ってね、いろいろ見て回ったりしてるんだけど、うーん、何だかなぁ。やっぱ昔に比べると圧倒的につまらんわ。いや当然まとめサイトもつられてつまんないってことになるんだけどさ。

2ちゃんねるが個人的につまんなくなったって話は何度も書いたけど、いったいどこがどう変わってしまったのか、それは書いてないなぁと。
たとえば利用者の年齢層が下がったってのは、わりとどこでと言われています。では利用者の年齢層が下がったら何故つまらなくなるかの説明がいるはずです。ところがこれが書いてるところがない。
たしかにね、罵倒のレベルが低いってのはあるんだけど、では昔の2ちゃんねるの罵倒のレベルが高かったかというと、とてもそんなことはいえない。昔なんか罵倒どころか、馬鹿でかいAAの連投、なんて、視認性を下げるだけの程度の低い荒らしがいっぱいいましたからね。

最近はむしろ、規制のせいもあるんだろうけど、その手の荒らしはいなくなりましたし。そういう意味では程度は上がっているのかもしれない。
なのに、とにかくつまらない。ということは、荒らしとか罵倒とか煽りという、いわば「特殊レス」ではなく、何と言ったらいいのかわからないけど、その特殊レスの対照となるべき「通常レス」がつまらない、という結論になってしまうのです。

つい先日、おそらくSMAPとして最後の活動となる「SMAP X SMAP」の最終回が放送されてね、ではこの件が2ちゃんねるで盛り上がったのかというと、ぜんぜん盛り上がっていない。
そりゃ2ちゃんねるの利用者層とSMAPのファン層が重なってないからだろ、と言われそうですが、でももし15年前(現注・2000年前後)の2ちゃんねるなら、確実に盛り上がっていたであろうと想像できるんです。
もちろんその当時から層は重なっていませんでしたよ。でも当時の2ちゃんねらなら盛り上がった、いや盛り上げただろうな、と。

アタシが、ああこの掲示板は面白い、と思ったのは、変な表現かもしれないけど「無理矢理感」があったからなんです。
たとえば、たいして面白くないテレビ番組でもね、寄ってたかってオモチャにして、自分たちなりの面白さを作ってしまう。どんなつまんないシーンでも、切り取り方やピックアップの仕方次第で面白くしてやる、みたいな、ちょっとしたクリエイティブ感があったんです。
だから、実況を見ながらなら、つまんないテレビ番組も、わりと面白く見ることができた。中には下品だったりモラルとしてヤバいレスもあったけど、どれも「くだらねぇことを面白くしよう」という意思は感じたんですね。

そういうのが最近の2ちゃんねるには感じない。
せっかくボケたレスかあっても、反応が「つまらない」ばかりでしょ。昔はつまらないレスに「つまらない」なんて書き込みはしなかった。無反応であることがつまらない証明になっていたからです。
というか、つまらない、という返答が一番つまらない。スベるのはしょうがないにしても、こんなイタい上につまらないことを書き込もうなんて誰もしなかった。
先のスマスマの例でもそうだけど、「こんなことで何で盛り上がってるの?」みたいなレスが実に多いんですよ。

というかね、レスしてる本人は冷静に分析しているつもりかもしれないけど、これ、リアルでも一緒でしょ。醒めた奴がひとりでもいると、場がシラける。いわば場をシラけさせてまで「自分はこんな的確な分析をしているんですよ」みたいなアピールになってる。
そのうち「みんなで「くだらねぇ」ものをオモチャにして盛り上がろうぜ」みたいな奴がいなくなる。で、残るのは醒めた意見で悦に入る奴ばかりになる。

つまりね、今の2ちゃんねると昔の2ちゃんねるは正反対なんです。
昔は「くだらねぇことを如何に面白く扱えるか」というような場所だとするなら、今は「仮に面白いものでもアラを見つけたり、醒めた意見を投げつける=面白いものでもつまらなくしてしまう」場所になっている。
これは2ちゃんねるに限らず何でもそうなんだけど、醒めた視点を持ち出した時点で、どんなことでもつまらなくなる。
映画やドラマなら「所詮作り話でしょ?」とか、野球なら「ボールを棒で引っ叩いて、何が面白いの?」とか。

世の中に「醒めた視点を跳ね飛ばせるほど面白いもの」なんか存在しないのです。
では反対に「何でも面白がってやろう」とすると、わりと何でも面白い。子供の頃でいってもね、ケンケンとか馬跳びとか、かくれんぼとかもそうだけど、冷静になれば別段面白い遊びではない。
でもみんな、必死になって面白がろうとしていた。みんながみんな面白がろうとするから、妙に白熱したりする。
モノのない時代なんか、そういう風潮はもっとあったはずで、今も貧困の時代というわりには「何でもいいから、とにかく面白がってやれ」みたいな風潮がなさすぎるんじゃないかと。

別に醒めた視点で何か言ったりやったりしても、誰も「こいつ、頭いいな」なんて思わないですよ。つまらない、といえばいうだけ「お前が一番つまらない」と思われるだけです。
アタシが思う「2ちゃんねるの利用者の年齢層が下がった」弊害はそういうことなんじゃないかと。ま、未成年の頃は醒めた視点でつまらないというのがカッコいい、みたいな風潮があるからね。
まだそれなら救いはあるけど、問題は「つまらないといい続けたまま、年齢だけを重ねてしまった」人が多いことだと思うんだけどね。

でも、はっきりいってやるわ。お前が一番つまんないって。







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