聴け!「大冒険」BGM
FirstUPDATE2016.9.15
@クレージーキャッツ @広瀬健次郎 #映画 単ページ @大冒険 サントラ PostScript #2010年代 #東宝/P.C.L. #物理メディア #特撮 tumblr

 2015年、ジャックプロダクション製作分を含めた、ハイビジョンリマスター化された全30作品が日本映画専門チャンネルで放送されました。
 しかし残念ながら現時点でBlu-ray化の予定はなく、これはコストではなく需要の問題なのでしょうね。

 もしBlu-ray化が叶った暁には、ぜひとも実現してほしいことがあります。
 それは「6㎜テープ音源完全収録」です。
 東宝では「だまされて貰います」と「日本一のショック男」以外の音源テープを保存しており、しかし「クレージーキャッツムービーズ」では予算の関係から音源テープからの収録は叶いませんでした。
 とはいえテーマミュージックは収録されていますし、古澤憲吾監督作品に限るなら「古澤憲吾ミュージックアンソロジー」に東宝マークBGMも収録されている。
 逆にいえば、純粋にBGMとして作られたトラックは「古澤憲吾ミュージックアンソロジー」に収録された「日本一のヤクザ男」の「斬り合い」を除いて、「セリフが被さっていない」、つまり「音源テープから収録」されたCDは発売されていないのです。

 しかしたったひとつ、例外があります。それが「大冒険」のDVDで、オーディオコメンタリーに併せて音源テープからの収録とおぼしい「セリフが被さっていない」BGMがシーン毎に収録されている。
 「大冒険」の音楽担当は広瀬健次郎とクレジットされていますから、すべて広瀬健次郎の作編曲でしょう。
 しかしこれが凄い。テーマミュージックや歌唱付きを除く純然たるBGMだけを繋ぎ合わせると30分強になる。
 本編ではセリフが被さっていたり、音量が絞られていてちゃんと聴こえない曲もバッチリ聴こえるわけですが、どれもこれも本当に良く出来ているのです。
 内容が内容なので印象になかったのですが、ムーディーな曲が多いのも意外で、とにかく聴こえるか聴こえないか、いやBGMが流れてると意識することがないような場面の曲も実にキチンと作られていて、昔の邦画はこれだけ手間暇かけて作られていたんだなぁと痛感しました。

 しかしこれが「たったひとつの例外」というのは、あまりにももったいない話です。
 本来ならDVD化された時にすべて「大冒険」と同じ仕様にしてくれたら良かったんだけど、まあ当時の事情を覚えておられる方ならおわかりでしょうが、「大冒険」のDVDはイレギュラーな存在だったんです。あれは本来、東宝特撮モノDVD化の一環だったわけで、発売時期も全然早いし、パッケージも初期はトールサイズではなくジャケットサイズでした。
 だから音源テープからの収録も(おそらく予算的に)可能だったのでしょう。
 しかしその後に発売されたDVDは「大冒険」のシステムは踏襲されませんでした。これも予算の都合上でしょう。もちろん豪華な人選のオーディオコメンタリーは、それはそれで嬉しいものでしたが。

 せっかく音源テープが残っているんだから何としてもメディア化を、というのはクレージーファンの願いですが、CDで、というのは無理がありすぎる。
 すべて「大冒険」と同じくらいの曲数、長さだとしても、CD15枚組、下手したら20枚組になってしまうわけで現実的ではない。
 となる映像メディアの「オマケ」として副音声で、もしくは別途CDにしてひとつのパッケージに収めるのが一番いい。というか、もうそれしか思いつかない。

 可能性は限りなく低いのは嫌というほど承知していますが、なんとしても実現してほしいと切に願うわけです。

というかもう、さすがにクレージー関係の映像のメディア化は諦めた。CDはまだ可能性があると思うけどDVDとか、ましてやBlu-rayとか可能性0%でしょうね。だからせめて公式で配信して欲しい。とは思うけどそれもペイしなさそうなんだよなぁ。




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