あ、最初にいっておきますが、インテリより馬鹿の方が素晴らしいってことじゃないです。ただインテリぶるのと馬鹿ぶるのでは、圧倒的に馬鹿ぶる方が得が大きいというか。
世の中には馬鹿と思われることを極端に嫌がる人がいます。あれ、なんなんだろう。
もちろん時には賢ぶった方がいい時もありますが、馬鹿っぽい方がいいシチュエーションの方が多いと思うのですね。
なんというか、馬鹿にされることを嫌がる人って、賢ぶったら馬鹿にされないと思ってるっつーか。でも一緒ですよ。いくらこちらの方が優ていようが、馬鹿にする奴は何をやっても馬鹿にしてくる。もう、そういう人はそういう体質なんです。何故なら言動を馬鹿にしてるんじゃなくて、人間として馬鹿にしてるから。
逆の言い方をしましょう。馬鹿にしない人は、いくらこっちが馬鹿な言動をしても馬鹿にはしてこない。さすがにやりすぎたら呆れられるかもしれませんが、呆れるのは言動であって人間としてではない。つまり賢ぶっても、馬鹿のフリしても、相手の印象なんか変わらないですよ。
ちょっとわかりづらいので例を出します。
こちらが何か話をし始めたとします。
その時のリアクションが「知ってた」とか「最近知ったの?」とか「自慢?」とか「へえ、そうなんだ。だから何なの?」とか、まあなんでもいいです。とにかく会話を続けることを拒否するような発言をする人、そういう人は間違いなく自分のことを馬鹿にしています。リアルでもネットでも、かなりの数がいますわな。
じゃこういう人に怒ったら何か変わるかといえば、まず変わらない。むしろ馬鹿にしてる空気を前面に押し出してくるだけです。
だったら、もうそういう人とは付き合わない方が、精神衛生上、いいです。当たり前です。というか、それ以外の対処法なんてない。
ではこういう人とは反対の、馬鹿にしてこない人、問題はここです。
例えば「実はプログラムを書くのが趣味で。といってもスクリプトとかなんですが」と言ったとします。
ネットなら「スクリプトwwww スクリプトでプログラム?wwwww」みたいな反応でしょうが、それはまあいい。
とはいえリアルでも「ふーん」が関の山でしょう。ま、本当にプログラムもスクリプトも知らない人にそれ以上の反応を求めるのは酷ですし、そんな人にその手の話題を振った方が悪い。
ではもしこっちが言われた側だったら、どうしましょうか。
アタシは間違ってもプログラムどころかスクリプトもドシロウトですが、年の功で「大まかにどういうものか」くらいは知っている。
かといって知ったか全開で会話を続けるのはアホのやり口です。ではどうするか、アタシなら、ここで探りを入れます。同時に相手に情報を与えます。
「あ、スクリプトって楽しそうですね。自分は全然できないけど」みたいな。
まず「スクリプトって楽しそう」って部分で、「スクリプト?なにそれおいしいの?」みたいな人間じゃない、少なくともスクリプトがどういうものかくらいは知ってる、さらには興味はありますよ、という情報を相手に伝えています。
そして「私はあなたよりは出来ません」ということを伝えることによって、会話がうんとしやすくなる。
でもこれじゃまだ相手の情報不足です。そこで探りを入れるのですが、なるべく「これは相手が答えられるだろう」と思うラインを突く。相手が答えらないと会話が終了しますからね。
ここで「自分は本当は知ってるか知らないか」はほとんど問題ではない。ただ、徹底的に「最低限は知ってる」という態度を貫くこと。プログラムの話にしましたが、クレージーキャッツでも野球の話でも、逆に全然知らない萌え系のアニメでも一緒です。まああまりにも知らないことの場合は話を変えますが。
知ってる分野の場合、相手が質問の意図を察してくれればこっちのものです。
「なんだ、意外と知ってるじゃないですか」なんて言ってくれたら、リミッターを解除する。つまりここで初めて「馬鹿のフリ」を止めることができる。
知らないジャンルの話も基本は一緒で、とにかく引っかかった言葉についてどんどん質問攻めにする。
これの何がいいかといっても、一切自分の話をしなくて済むのです。実は聞き手ってラクだからね。知らないことの知識も増えるし、いいことづくめ。
もうこれはテレビのバラエティ番組の責任もあると思うんだけど、知識量=頭の良さ、みたいな図式が酷くなりすぎたと思う。
ここさいきんでも、藤田ニコルとかね、どうもちょっと軌道修正してるみたいだけど、この子、初めて見た時から「あ、この子は賢いな」と思ったもん。
別に漢字も知らなかろうが、一般常識に疎かろうが、んなもんと頭の良さなんか何の関係もない。
でもそれじゃバラエティ番組として成り立たないから(本当はまったくそんなことはなくて、ただただ安易なだけなんだけど)、知識量が薄いタレントを笑う(嗤う、の方が正しいか)、というくだらない図式ができてしまった。
しかし本当に賢いのは、馬鹿になりきってカネを稼ぐタレントですよ。膨大な知識量を得るのは簡単じゃないけど、馬鹿はつまらないプライドを捨てるだけでいいからね。もちろん下手なやり方だったらすぐバレるから、頭の回転の良さがないと難しいけど、それでも知識を詰め込むよりは「素」で勝負できるだけラクです。
まさしくラクして儲けるスタイル、ということか。
我が輩のモットー、いやアタシのモットーですよ、ラクして儲けるってのは。
だから、まァ、知識の薄い人を見て笑いたいヤツは笑えばいい。その方がこっちは儲かるんだからね。
笑え!笑え!やれ!やれ!ドンドンやれーッ!