「五万節」アレンジの疑問と氷解
FirstUPDATE2016.6.4
@クレージーキャッツ @宮川泰 #音楽 単ページ 五万節

 クレージーキャッツは晩年、というかグループとしての活動が減った時期からですね。テレビ番組で往年のヒット曲を歌う際メドレーで歌うことが多かったのですが、ざっとその一覧を書いていきます。(植木等単独のメドレーは除く)

・ドリフの昭和大爆進=五万節~ハイそれまでョ~スーダラ節
・ビッグショー=ハイそれまでョ~ドント節~これが男の生きる道~ゴマスリ行進曲~五万節~酒のめば~スーダラ節(実際には「これが男の~」までは曲間に軽くミニコントが入っている)
・アッと驚く!無責任=スーダラ節~五万節~ドント節~ハイそれまでョ~学生節~これが男の生きる道~ゴマスリ行進曲~ホンダラ行進曲(スキャット部のみ)~スーダラ節

 サンプルが少ないのがアレですが、いろいろ気づくことがあります。
 まず文句なしの代表曲といえる「無責任一代男」が歌われてないのです。にも関わらず到底ヒットしたとはいえない「酒のめば」や「学生節」が歌われているのが面白い。

 「ドリフの昭和大爆進」での出演シーンは、いかりや長介の最後のドリフターズとしての出演となった、というかオープニングを久々に撮り直した「ドリフ大爆笑」で、いかりや長介チョイスということで流れたので、視聴された方も多いと思います。(といっても、もう10年以上前になるんだよな。時間の経つのは早いもんですなぁ!)
 ここで「五万節」からはじまるメドレーを歌ったのですが、何ともいえない、70年代風というかドリフ風のアレンジに面食らった人も結構いるんじゃないかと。
 特に「五万節」はオリジナルとも1979年に再録音されたものともまったく違うアレンジなのですが、なんと「ビッグショー」でもほぼ同じアレンジなのです。

 アタシは「ドリフの昭和大爆進」のメドレーを誰がアレンジしたのかずっと気になっていたのです。当時ドリフの座付きアレンジャー的立場だった、たかしまあきひこかな、と思っていたんですが「ビッグショー」と同じアレンジとなると話が早い。なぜなら「ビッグショー」は音楽として宮川泰がクレジットされているからです。
 つまり「ドリフの昭和大爆進」の奇妙なアレンジは宮川泰が担当していたんですな。まあ宮川泰なら非常に納得できる。1979年再録盤での「ショボクレ人生」や後の「スーダラ伝説」での第九とスキャット部を重ねたりと、一見奇異に感じるアレンジは得意中の得意のはずですから。
 ちなみに「アッと驚く!無責任」のメドレーでの「五万節」はわりとノーマルなアレンジですが、「スーダラ節」のスキャット部のアレンジは「ドリフの昭和大爆進」にならっており、ラストの「クレー!ジー!キャーッツ!」というコーラスまで同じです。

 しかしこの「クレー!ジー!キャーッツ!」ってのはいつくらいからやり出したんでしょうね。ここらへんはまだ要調査ですね。

「シャボン玉ホリデー」が終了した翌年の1973年から「これで日本も安心だ!」がリリースされる前年の1978年までのクレージーはまだ「あの」とか「懐かしの」みたいなニュアンスがなく、文字通り「凋落期」と見られていた頃です。
つまりわずかながらグループでの活動はあったけど、個々にドラマに出たり司会をしたり、といった感じなのですが、この時期のクレージーはあんまり研究されていないのですよね。たぶん試行錯誤の末に「クレー!ジー!キャーッツ!」が生まれたんだろうけど、もうちょっとこの辺は研究しても良い気がしています。




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