ビギナーのためのクレージー映画
FirstUPDATE2016.3.14
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 「ビギナーのためのクレージーソング」というエントリにおいて、映画ならまず「日本一の色男」を薦める、と書きましたが、もうちょっとちゃんと書いてみます。

 ここで関係ない話を。
 「機動戦士ガンダム」を知らない人がガンダムにたいしてどういうイメージを持ってるのかを「ガンダムを知ってる人が」予想したっていうコピペがあって「安室とシャーがたたかう話」ってんだけど、最初見た時は笑いました。
 正直自分が知ってることにたいして知らない人がどんなイメージを持ってるか、想像するのは非常に困難なのですが、もしクレージー映画を先のガンダムコピペに当てはめるなら
「ウエキヒトシがスーツ姿で、ヘンテコな踊りを踊りながら歌ってる」
 みたいな感じなんじゃないかと。
 ま、間違ってはないよね。少なくともガンダムコピペよりも正解だ。
 これがクレージー映画を観たことがない一般の人のイメージかどうか、議論しても始まらないのでとりあえず正解ってことにして話を進めます。てかそっから最適な「ファーストクレージー映画」を導き出します。

 となると、まずクレージーキャッツ全員主演の「作戦シリーズ」はダメ。んでサラリーマン物でもない「日本一の裏切り男」以降も選外。時代劇は言わずもがなです。
 ざっくり候補を挙げるならこうなります。

・「ニッポン無責任時代」
・「ニッポン無責任野郎」
・「日本一の色男」
・「日本一のホラ吹き男」
・「日本一のゴマすり男」
・「日本一のゴリガン男」
・「日本一の男の中の男」

 やはり最初から、個人的にあまり面白いと思ってないものは薦めたくない。ということで「ゴマすり男」以降も落選。
 残ったのは「無責任時代」、「無責任野郎」、「色男」、「ホラ吹き男」の4本です。

 この4本の中で、というか、いわゆる東宝クレージー映画の中でも文句なしにベストと思っているのが「無責任野郎」です。
 でも、だからこそ、最初に薦めてしまうのはコワイ。ハマらなければ、まァ、それはしょうがないにしても、仮に面白かったとなった場合に二の矢がない。
 ちょっとでも興味を持ってもらえるなら、最低でも3本は観て欲しいってのがあるんで、どうしてもいきなり最高傑作(個人的にだけど)の「無責任野郎」は避けたいわけで。

 では残り3本ですが、「無責任時代」も正直薦めづらい。
 「ニッポン無責任時代」といえば、クレージーというか植木等の代表作といわれているくらいの有名な作品ですが、今の目で見れば、いかにもコナれていないんです。
 最初の作品だけあって、植木等がのちのイメージにあるようなエネルギーがキャラクターとして爆発していないんですね。だから下手したら「あれ?意外とおとなしいんだな」と思われてしまうんじゃないかと。
 なんで「無責任時代」もパスってことで。

 さあ、残り2本。一騎打ちです。
 「ホラ吹き男」はビデオ化されたのが早く、1990年代くらいまでは「クレージー映画=ホラ吹き男」という時代すらあったくらいです。
 また徹底的にエネルギッシュでパワフルな植木等も一般層のイメージに合致している。
 ただね、挿入歌があんまりよろしくないのです。
 いわゆる有名どころの楽曲はひとつもないし、ケラリーノ・サンドロヴィッチが指摘した通り、どうも音頭調の楽曲が多くてノリづらい。
 やはりクレージー映画といえばモダンさも魅力だから、いきなり音頭調が多いってのはね。
 (ま、クレージーソング=音頭って思ってる層は多そうなんだけど)

 てなわけで「色男」を選んだのですが、ただの消去法ではありません。
 具体的に挙げるなら

・オープニングの「つかみ」が強烈
・挿入歌もバラエティに富み「無責任一代男」という有名曲から、コミックソングではない「ギターは恋人」まで入っている
・東宝5大女優が勢ぞろいして実に華やか
・そのせいかファッショナブルで、またチャームスクールが登場するなど女性が観ても楽しめる
・ちゃんと「オチ」がある。オチまでの流れもスピーディで快調

 実はオチがあるクレージー映画ってほとんどないんです。
 「色男」のオチも強引ちゃ強引なんだけど、見せ方が上手くて面白く撮ってあるから、まァいいかと思わされるんですよね。

 ま、「色男」を観て、もし「ふーん」ってな感想だったら、たぶんクレージーってもんに興味が持てないってことだろうしね。それはそれで全然構わない。趣味なんて人それぞれ違うんだから。

数年前、HDDがイカれて「日本一の色男」のハイビジョン映像が消えてしまった。SDでは持ってるけど、こんなの持ってるうちに入らない。だから、またやれ。いいな。




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