それ見たことか!
FirstUPDATE2016.3.3
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こんなもん昨今だけではなく、もう有史以来ずっとだと思うんだけど、とくに今年世間を騒がせた芸能ニュースを見ていると、関心を持たれるのは「何をやらかしたか」ではなく「誰がやらかしたか」なんだなぁ、と痛感してしまうわけです。

ボツにしたエントリの中に「超軽度の嫌悪感」というものがありました。
太平洋戦争中、大多数の芸能人は何らかの形で戦争に協力せざるを得なかった。芝居であれ映画であれ検閲がある以上、その芸能人が右寄りか左寄りか関係なく、それはどうしようもないことでした。
アタシはその事を責め立てる気持ちは一切ない。問題は戦争とやらが終わった後です。
戦争が終わって、世の中の空気は一変しました。同時に新しいタイプの芝居や映画、そしてスターが続々誕生します。

では旧来の、といえば変だけど、戦前戦中から活躍していた芸能人はどうだったかというと、軒並み人気を落としている。
それは単に新しいスターが出てきたからではないと思うのですね。
田中絹代は戦前戦中と「銃後の家庭を<健気に>支える女性」といった役柄で人気を集めた人ですが、戦後アメリカへ行き、ま、それだけならいいのですが、帰国のパレードで投げキッスを連発したことで「アメリカかぶれ」という烙印を押されます。
このアメション事件(アメション=アメリカでションベンしてきただけという揶揄)で田中絹代は徹底的に叩かれた。もちろんあまりにもかつての役柄とイメージが違いすぎたというのもあるとは思いますが、やはり「お前にそそのかされて、身内が戦争で」という感情もあったに違いないと思うわけでね。

別に積極的に嫌うほどではないにしろ、何となく、好意的に眺められない、そういったタイプの芸能人はいつの時代にもいます。
アタシの中にはあんまりないのですが、それでも人間である限り、誰かしらに嫉妬の感情を持つことは抑えようがない。
もし、大多数の人が特定の芸能人にたいしてそのような感情を持てば、これはもう「国民総しくじり待ち状態」だといえるんじゃないかと。
某ゲスヴォーカルと某ベ○キーの不倫が発覚してね、某ゲスヴォーカルはほとんどお咎めなしで某ベ○キーだけが叩かれたのは簡単で、某ゲスヴォーカルは別に「しくじり待ち」じゃなかった。逆にいえば某ベ○キーは完全に国民総しくじり待ち状態でした。

某ベ○キーが正しいかどうかなんて、もうどうでもいいんです。それこそ不倫なんて星の数ほどよくある話で、芸能人じゃなくても不倫している人なんていっぱいいる。
だから許してやれよって話でもない。
たとえそれがどれだけよくある話であろうが、良くないことは良くない。それはわかる。
しかし叩かれない不倫も存在する。それは同情に値するとかそういうことじゃなくてね、この人なら許せる、といった類いのものです。
当然その反対、不倫するなんて絶対に許せない、なんて人も存在する。いや、よしんばこれが交通違反レベルの話だったとしても、おそらく某ベ○キーなら、ボロカスに叩かれていたと思う。
もうね、みんな某ベ○キーにたいして「それ見たことか!」と言いたくてしょうがなかったんじゃないかとね。

だから、これは誰が悪いのかといえば、所属事務所が悪いとしかいえない。
この手のタレントはスキャンダルはご法度なんです。さすがに生涯スキャンダルを起こさせないように監視するのは不可能なんだから、結婚かなんかさせて上手くフェードアウトさせてやるのがいい。
でも今回はそれが出来なかった。だから事務所の失策だと思うわけでね。
スキャンダルがご法度なんて、実は清純派であるかどうかなんて関係ないんです。逆にそれはわりと簡単に取り戻せる。
先の田中絹代だって、路線を戻すことによってアメション事件が致命傷にならなかった。もちろん時代も良かったってのもあるとは思いますが。
今はネットで簡単に個人の感情を吐き出せる時代ですからね。コトは簡単じゃない。

ま、書きませんが、他にも結構「国民総しくじり待ち状態」のタレントは、いるよ。そのタレントの所属事務所の方は本当に気をつけた方がよろしいんじゃないかと、ね。







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