ナゾの街・京都
FirstUPDATE2016.2.15
@街 #京都 単ページ 一方通行 住所表記 盆地 PostScript

 別に憚られる内容じゃないのに、何となく書きづらいテーマってのがあります。今回はまさにそれですが、まあいいでしょう。

 さて、久しぶりの街シリーズですが、以前「フシギな街・福岡」ってのを書いたことがあります。
 主に会話から覚える違和感について書いたんだけど、福岡はもうひとつ、フシギっつーか、いまだに慣れない違和感があって。
 というのも、これはアタシが生まれた場所が神戸だからです。

 はっきりいって神戸ほど道に迷わない街もない。少なくとも今自分が向いてる方向が東西南北どっちかは一発でわかる。
 山側が北、海側が南。もっといえば坂の上りが北、下りが南です。南北がわかれば東西も当然わかる。
 ところが福岡の場合、いやホントは福岡に限らず日本海側のすべての街に言えることなんだけど、全部が逆になる。
 つまり北が海側、南が山側、という風に。
 頭では理解できるんだけど、最初は相当混乱しました。
 それまでアタシが住んでいたのは、東京とか湘南みたいな、神戸同様海側が南の地区、もしくは大阪といってもかなり内陸部で海側がどっちとか関係のない地区ばかりで、日本海側には一度も住んだことがありませんでした。
 今はだいぶ違和感は消えたとはいえ、いまだに博多駅~キャナルシティー~天神の位置関係がわからん。

 ま、でも福岡なんか可愛いものです。
 地理で一番わからないのが何といっても京都で、もう、ホント、ぜんぜんわからない。違和感を超えてナゾとまでいえます。
 京都の住所といえば、区画ではなく通り名で表されます。
 アタシはロンドンに滞在してましたが、あっちも基本的には住所はストリート名です。でもストリート名プラス番地だから、まァ、わりとなんとかなる。
 京都もストリート名っつーか通り名なんだけど、生粋の京都人以外にはあまりにもハードルが高い、そう、あの「下る」とかいう住所名。もう、住所がわからない以前に意味が理解できない。
 今はスマホ+Googleマップなんかがあるから、そこまで迷うことはなくなったけど、昔、といってもたいして昔じゃないよ。せいぜい10年ほどくらい前まで「住所を頼りにその場所にたどり着く」っていうね、難易度がハンパなかった。

 まず「だいたいどの辺りなのか」のイメージが掴めない。番地じゃないから、下手したら一帯の全部の表札とか看板を見て回らなきゃいけない羽目になる。
 だからもう、歩き回るしかないわけです。
 ではクルマならラクだろうと思うでしょ。とんでもない。
 京都はやたら一方通行が多いんです。だから近くまで来てるのに、なかなか目的地にたどり着けない。
 この辺は来たことがあるから、と思ってナビを使わずに運転してたら、予定より大幅に到着が遅くなってしまった、なんてことになってしまいます。

 よく「京都人は底意地が悪い」なんて言います。
 アタシは何のことか、知り合いにひとりも生粋の京都人がいないので、本当に底意地が悪いのかどうかは知りません。
 でも住所にかんしては文句なしに底意地が悪い。完全に一見さんお断りです。
 「道がわからしません?そしたら来てもらわんでもよろしおす」(←テキトー)と言われているみたい。京都人が言ってるんじゃないよ。京都の道がそう言ってる。

 あと底意地が悪いのは気候です。
 何であそこまで、夏が暑くて冬が寒いんだろ。マジで体感的には、夏の暑さは沖縄以上、冬の寒さは北海道以上ですからね。
 盆地だから、と言われるけど、あそこまで極端な気候になるか?
 ロンドンに滞在してる時、「一度京都に行ってみたい」という外国人はいっぱいいました。
 完全に主観というか偏見ですが、どうも外国の方って、寒さには強いけど暑さ、特に蒸し暑さには弱い人が多い気がします。
 冬はともかく、夏の京都なんかに外国人が行ったらマジ死ぬイメージしかない。蒸し暑さには強い日本人でさえ暑くて苦しいのに、暑さ慣れしてない、半分より北側のヨーロッパの人が夏の京都に行った日にゃ、もうそりゃ。

 もういっこ、今は改善されたみたいだけど、ラジオの電波が入りにくいってのも、なぁ。
 もしかしたら「京都人が底意地が悪い」ってのは実はただのイメージで、本当は「京都の道路と気候と電波の底意地が悪い」だけなのかもね。

京都は本当に、下手に触れるととんでもないことになるので、ま、このエントリは<触り>だけなんですが、いつかは「興味ない」シリーズで出来たら面白いかな。いややっぱ、コワいか。




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