トランスポートミュージアムは鉄オタ以外も
FirstUPDATE2016.1.24
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 えと、コベントガーデンといえば、さしてロンドンに興味がない方でも聞いたことがあるんじゃないでしょうか。そうでもない?

カムデンタウンの時にちょろっと名前を出したけど、規模は大きくないとはいえ街の真ん中にあることもあり、ここのマーケットはかなり有名です。
最近、コベントガーデンに新しい人気者が生まれました。それがボブです。
日本のテレビ番組でも紹介されたことがあるのでご存知の方もいると思いますが、ボブとはネコの名前です。
アル中に苦しむストリートミュージシャン・ジェームスが、一匹の野良猫と出会ったことによって人生が変わる、そういった体験を本にしたためたところ、イギリスで大ベストセラーになったのです。
そして今年(現注・2016年)、ついに彼らをモデルにした映画が公開されます。ジェームス役はさすがに俳優が演じますが、何とボブ役はボブ本人(本猫?)だとか。

ま、それはさておき、コベントガーデンにはもうひとつ、隠れた観光スポットがあります。
いやそこそこの規模の施設、かつコベントガーデンのマーケットのすぐ側の、わりと目立つ場所にあるにもかかわらず、意外とその存在を知られていない。いや言葉で説明するのが本当に難しいんだけど、場所的に微妙に「隠れて」いるんですよね。
だからコベントガーデンに行ったことがある方でも「え?そんなのあった?」てな人がいそうな、絶妙に目立たない施設、それがトランスポートミュージアムです。
とくに一階はトランスポート(つまり地下鉄やバス)関係のショップになっているので、単なる土産物屋にしか思ってない人も結構いるのではないでしょうか。

しかしチケットを買って(これがちょっと高い)上階に行くと別世界が広がっているのです。
まずエレベーターで上階へ行くのですが、このエレベーターからして趣向を凝らしており、タイムマシン風になってる。んでエレベーターを降りると1800年代の、つまり地下鉄や路線バスが開通した頃の車体などが並んでいるのです。
これが非常によく出来ていて、当時のホンモノの客車を使っているのはもちろん、ご丁寧に当時の服装をしたマネキンまで乗客としています。当然客車の中に自由に入ることが出来るので、完全に「1800年代後半のロンドン(ま、いわゆるシャーロック・ホームズの頃ですな)」にタイムスリップ出来るのです。

階段を使って下の階に降りるにしたがって年代が新しくなり、まさにトランスポートの歴史を順を追って体感できるようになってる。
こういう演出の上手さはちょっと敵わないですね。
え?乗り物にも昔のロンドンにも興味がない?ではデザインはいかがでしょうか。
このミュージアムで地味に白眉なのが、これまでの地下鉄やバスのポスターを大挙飾ってあることで、これが実にカッコいいのですよ。
ちなみにロンドンに地下鉄が通ったのが1863年。日本でいえばまだ江戸時代ですよ。そんな年に近代の象徴ともいえる地下鉄が、もうロンドンの街を走っていた、となると、ちょっと震えがきます。

ポスターひとつとってもそういった歴史は大事にされており、これはトランスポートミュージアムで見たんじゃなくてリアルタイムで見たのですが、アタシがロンドンに滞在していたのが2013年。つまり地下鉄開業から150年目にあたる年です。
この時のポスターが上の画像の下部(150の数字があるもの)なのですが、上手く合成を使って歴史を表現している。滞在中、毎日のようにこのポスターを見ていたのですが、いつ見ても凄いなぁと感心していました。
ロンドンには大英博物館をはじめとする入場無料の施設(どれもこれもメチャクチャスケールがデカい)がいっぱいあるので、有料のトランスポートミュージアムは不利です。しかも鉄道に興味がない人からすれば、全然関係ない施設に思えるのもしかたがない。

ここ数年、「タモリ倶楽部」や「笑神様は突然に」(終わっちゃったけど)なんかで、やたらと鉄道オタクが前面に出てきましたが、鉄道オタク、バスオタクはもちろん、全然興味がない人でも十分楽しめる施設ですよ。







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