スマホ元年
FirstUPDATE2015.10.6
@Scribble #Scribble2015 #スマホ #PocketPC/WindowsMobile #iPhone #Android #2000年代 単ページ Palm ビジネスマン向け エンターテイメント機能

こんなタイトルにすると噛みつかれそうだけど、気にせず続けます。

スマートフォンという概念はかなり昔からありました。そして平行するようにPDAってものも、やっぱり昔からあった。
欧米はスマホの概念を取り入れた端末がかなり早くから出ており、日本も遅れていたとはいえ、20世紀の終わりにはスマホらしきものが発売されています。
しかしこれらのスマホやPDAは、今のスマホとぜんぜん違う。はっきりいえば祖先ですらないと思う。

その前に、つまりスマホやPDAよりさらに昔、一時期ですが日本で電子手帳が猛烈に、猛烈は言い過ぎか、それなりに流行ったことがありました。
残念ながらアタシは所有した経験がないので詳しくはないのですが、あれだけCMを垂れ流してたら、まあ何ができたかくらいはわかります。
で、何ができたかというと、今の概念でいえば何もできないといって差し支えない。スケジュール?電話帳?まァ、その程度ですか。

ただこれ、今だから「その程度」に思えるってことでもなくて、当時から「その程度」感があった。いくら新し物好きのアタシでも、まったく触手が伸びなかった。
しかし、ビジネスマンの中には活用していた人はそれなりにいたらしい。アタシが使い道がないのはビジネスマンじゃないからなのか?とも思いましたが、いくら公平に見てもこれでビジネスが捗るとは到底思えない。こんなもんを使うより当時流行っていたバインダー式のシステム手帳を使う方が絶対使いやすかったはずなんです。

いろんな意味で中途半端な電子手帳が、それなりに普及した理由を考えるなら、もうそれは「ビジネスマン必須ツール」みたいな売り方が成功したからだと思うんですね。
電子手帳は甘めに見てPDAにカテゴライズしてもいいと思うんだけど、アップルが開発したニュートンも、だいぶ遅れたPalmもね、全部対象がビジネスマンだった。
極々初期の、PDAと携帯電話のハイブリッドであるスマートフォンも、やはりビジネスマンを対象にしていたわけです。
この流れは絶対に近く、ビジネスマンでない人にスマートフォンやPDAは無用と思われていたし、メーカーもユーザーもそれが当たり前だと思っていたフシがあります。

さて、Palmのヒットに刺激されてか、巨人マイクロソフトもPDA市場に参入するのですが、なかなかシェアを奪えない。
しかしこれはマイクロソフトの考え自体に無理があったからです。
電子手帳にしろニュートンにしろPalmにしろ、これらは手帳の電子版です。しかしマイクロソフトの作るPDA用OSは、完全に「小さいパソコン」で、手帳としては最悪といっていいシロモノでした。
はっきりいって理念自体がおかしいのだから、手帳としてはほとんどブラッシュアップできない。そこで、かどうかは知りませんが、「小さいパソコン」としてブラッシュアップしていくしかなかったのです。

マイクロソフト製PDA用OSを搭載したPDAはPalm-sizePC→PocketPC→WindowsMobileと次々名称を変えますが、名称が変わるにしたがってビシネス用途の要素が薄くなりました。
ではビシネス用途の代わりに何が強化されたのか、といえば、遊びの部分です。
いち早くカラーをサポートし、当時流行りだしていた圧縮音源を再生できるようにした。
画面がカラーなら写真が表示できるしゲームもカラフルに楽しめる。圧縮音源を再生できるなら、これまた当時流行っていた携帯MP3プレーヤー代わりに使うことも出来る。
当たり前だけど、この辺の機能はビシネスとはまったく関係がない。結果PocketPCの中期頃からビシネスツールではなく携帯型マルチメディアツールへ変貌していったのです。

アタシはウィルコム・マイクロソフト・シャープによる「W-ZERO3」が日本最初のスマホだと思っています。
最初に書いたように、もちろんそれ以前にもスマホはあった。でもそれらはビシネスツールとしての要素が極めて強いものだけです。
W-ZERO3は違う。変な言い方だけど、マイクロソフトのOSを採用した時点で遊び用としての要素が強くなるしかなかったのです。
そしてこの流れはiPhoneという「理念からして一切ビシネスでの利用を考慮していない」スマホの登場によって決定的になりました。
今スマホと呼ばれる製品はiPhoneにしろAndroidにしろ、コミュニケーションツールを含む遊びが全面に押し出されたものばかりです。ビシネス用途で使えないことはないけど、極端にいえばPS4でOfficeやPhotoshopを使う、みたいな感じなんですよね。

2005年は日本におけるスマホ元年だとアタシが言い張るのは以上のような理由があるからです。
しかし、たとえ結果オーライだとしても、スマホをビシネス用途から遊び用途に変えたのがマイクロソフトなんだけど、マイクロソフト自体に自覚は一切ないんだろうな。
今のスマホの流れ?あれはウチが作ったもんなんだけどね(口笛ピュイ~)、でいいと思うんだけど。







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