究極のブログ
FirstUPDATE2015.7.2
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別に究極でも至高でもいいんだけどさ、時たま「究極のブログってなんだろう」と考えます。もしね、もし自分自身で「究極のブログといえるものになった」と思えたら、それがブログの辞めどきなんじゃないかとも思うわけで。

そもそもブログってなもん自体、極めて歴史の浅いものです。ブログシステムを用いてない、いわゆるテキストサイトの時代を含めても、たかだか20年ほど。いわばまだ試行錯誤の時期である、とさえいっていいと思うんですね。
映画でいえば、サイレント時代がテキストサイト時代、トーキー以降がブログ時代といっていいと思うのですが、映画と違うのは、だんだん短くなってきているんですよ。Twitterの登場以降、この傾向は顕著になっています。昔のテキストサイトは全般的に文章が長いから、ね。

ブログが登場して十余年ですから、トーキーから十余年ってとこになると、ちょうど終戦の頃ってことになりますか。
前に書いたけど、戦前戦中までの映画はノリが違うし、何よりまだ「映画の文法」が確立されてないのがありありとわかる。キャメラワークだったり、音楽の入れ方とかね、え?え?何でそんな感じなの?ってことが頻繁にでてきます。
もちろん試行錯誤の末の積み重ねがあったからそこ戦後に花が開くんだけど。
ブログも一緒で、まだ花が開くまではいっていない。というのも「ブログの文法」が確立されてないんじゃないかと。

日本の芝居はほぼ歌舞伎から発したものだと考えて間違いない。というか日本を舞台にした人間が演じるフィクショナルなものってことになると歌舞伎を手本にするしかなかったわけです。
日本映画の手本が歌舞伎だとするなら、ブログの手本は「日記」「エッセイ」「コラム」「論文」でしょう。というか現在あるブログはほぼこの4つを原型にしているといって過言じゃない。
まずは日記からですが、これは以前指摘した通り、ブログからSNSに流れてしまいました。
結果、日記が原型のブログは絶滅に近づいており、おそらく今後完全になくなるものと思われます。

4つの中で絶対になくならないと断言できるのは論文原型タイプで、たとえばパソコンのソフトウェアの使い方TIPSや、映画やゲームの論評などはここに収まります。
主勢力になることはないだろうけど、仮に細々であったとしても、執筆者は入れ替わり立ち替わりしても、たぶんずっと残る。「お役立ち度」からすれば、一番だしね。
エッセイ原型は、これも正直かなり減った。というかエッセイ自体そこまで長文が必要じゃないので、これはTwitterに吸収されたと見るべきでしょう。

さて、問題はコラム原型のブログです。
アタシはずっと、これはコラム原型のブログだと思って駄文を書いていました。
周辺雑記はほぼ書いてないし、エッセイほど詩的な内容じゃないし、論文ほどのお役立ち度はない。その分、そこそこ客観的で、しかも読み飛ばせるくらい軽いもの、それが「コラム原型」だと。
アタシは泉麻人のコラムが好きでずっとああいうのを書きたいと思ってたし、昔みたいに芸人のことを書いても、小林信彦のような論評的なモンじゃなくて色川武大が書くような軽いものが好きでした。だからずっとそれは心がけてきた。

いや、これは今だから思うんだけど、コラム原型のブログこそ「究極のブログ」に一番近いんじゃないかとね。
といっても別に優劣をつけるわけじゃない。ただコラム原型のブログが一番「長期間続けやすい」と思うわけで。

日記原型は書きたい書きたくないが私生活や仕事の状況に左右されるから長期間続けるのは難しい。
論文原型はジャンルを絞らなきゃ面白くないにもかかわらず、絞れば絞るだけネタが枯渇していく。何より書くこと以外、つまり「書く」のは単に「けっかはっぴょ~!」に過ぎず、調べたり実験したり観たり聴いたり読んだり、にエネルギーがいる。
エッセイ原型はなんでもありだけど、心情風景を書くのを継続していくには、よほど「飽きっぽくない」人格が求められる。

その点、コラム原型はね、本当に自由なんですよ。
まず「何か書きたい」となったら、もう本当に書くだけでいい。論文原型のようにジャンルを絞る必要もない(絞ったところで面白さとは直結しない)からネタに詰まることもないし、調べて書く、なんて七面倒なことをしなくてもいい。
日記の三日坊主じゃないけど、三日ブログが散乱していることを思えば、長期間継続しやすいコラム原型ブログが究極に近いのは、まあ妥当でしょう。
では内容的に、どんなブログが「究極のブログ」なのかですが、さすがにこれはわからないけどさ。

でも間違いなく将来「究極のブログ」といえるものはコラム原型のブログから出てくると思うのですがどうでしょうか。







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