電子書籍とウェブサイトの中間みたいな電子書籍
FirstUPDATE2015.6.21
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ウェブサイトってのは本当に玉石混交で、誰にとっても便所の落書き以下のものもあれば、見る人が見たら、これ、国会図書館の書庫を引っ掻きまわしてもわかんないよ、みたいなもんが混在しています。

何が悲しいといっても、そうした貴重なページが消滅してしまうことで、サイト自体は生きてても、画像へのリンクが切れてたりするし。
実際そんなことが多々あったから、なんとなくヤバそうだなと思ったらウェブ保存するクセが付きました。(ウェブページをまるごとローカル保存って著作権的にはどうなんだろ?)
なんとかなんないかなぁとはずっと思ってるんだけど、たとえば貴重な資料だと判断したサイトは国が保護するとか。ま、それは判断材料が難しすぎて無理だわな。「誰にとっても便所の落書き以下」って判断は付きやすいけど、「誰にとっても貴重なもの」なんてないしね。

さて電子書籍の話です。
以前電子書籍についてツラツラ書いたけど、もうどうでもいいや。ひと言でいうなら「紙の本の置き換えにはならない」って結論が出たから。アタシの中で。
先ごろも「週刊アスキー」が紙の本を廃止して電子書籍に移行しましたが、特に雑誌の場合、電子書籍への移行で成功例を見たことないもん。結局流通がとか利権がとかの問題じゃなくて、広告の扱いが上手くいかないんだろうなと思うし。

本来、新書や文庫、そして漫画の単行本より、雑誌の電子書籍化はユーザーに一番歓迎されることのはずなんです。
買い逃すことが少なくなるし、何より雑誌のバックナンバーはほぼゴミになるわけで、価格面さえ上手くやればもっと浸透してもいいはずなんです。
ところがそうならないのは「紙なら広告を出すけど、電子書籍ではねぇ。それならウェブサイトに広告出すよ」ってことなんだろうな。
雑誌ってのは売れる売れないより(当然それも重要ですが)、広告収入が非常に大きな収入源になっているわけで、広告面での革命が起きない限り雑誌の電子書籍化はダメなような気がします。

ではひるがえって、電子書籍に一番向くのは、実はウェブページ、それも先ほど書いた通り、貴重な資料となりうるページのような、ね。
世の中には「金でも名誉でもなく」本を出版したいって人がゴマンといる。記念だったり後世へ残すためだったり、でもそれはなかなか難しい。費用がかかりすぎるからです。
こういう時、電子書籍ってのは非常に良い「落とし所」じゃないかと。費用も圧倒的に安く済むし、何なら、多少の知識があれば、ほぼ自分ひとりでできないこともない。

個人のお宅へうかがうと、家族のアルバムなんてもんは、まずあります。単に家族が写ってるだけじゃなくて、背景には昔の街並みが写り込んでたりする。それらは「見る人が見」たら大変貴重な資料となる。
実際、そういったものをネット上にアップしている人はいます。しかしインターネットの性質上、消滅の危険性と隣り合わせです。
また閲覧性もすこぶる悪い。ブログなんかを利用していた場合とか本当にめんどくさい。
(当たり前だけど、貴重な資料だけじゃなくて、今日の晩御飯みたいなエントリも混在してたりするからね)

こういったものをきちんと電子書籍化して、版権の管理をしてくれるような会社があればな、と痛切に思います。
青空文庫は近いけど、そもそも目的が違うからね。
ウェブサイトというのは、特に画像の権利が曖昧で、ローカル保存ならともかく転載されたり改変されたり、無法地帯に近い。そういった状況に「いろんな人に見てもらいたいけど、勝手に転載されたりパクられたりするのは勘弁」と思っている人もいっぱいいるはずです。
そこで電子書籍です。ウェブサイトの転載や盗用と、電子書籍の転載や盗用では、心理的抵抗が全然違う。法律云々ではなく、電子とはいえ「書籍」であるってことが十分抑止力になってくれる。もちろん極めて悪質な場合は法律を使うことも、余裕でできる。

今でも個人で、たとえばKindleなんかに個人でも登録はできるけど、版権の管理まで個人がやるのは無理がありすぎます。だからこういう会社が必要なんです。
販売は無料、登録料として5万円くらい取ってもいいよ。ちゃんとした会社ならね。んで版権管理をちゃんとやってくれたら、5万円なんか安いものです。
いわば自費出版の電子書籍版なんだけど、もう自費出版自体に怪しいイメージが付いちゃってるからね。あくまで「個人の記録や後世に残すための資料」の保護を目的とする、みたいな。

そういうのが始まれば、アタシももうちょっときちんと調べた文章を書くんだけど。カネでもメイヨでもなく、「ちゃんとしてくれるのであれば」やってもいいことって、やっぱ、あるから。







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