何やらスティック型PCってのが流行の兆しを見せています。
マイクロソフトとインテルが普及のために儲け度外視でOSやチップを卸しているようで、といってもこれはマイクロソフト、インテルともにスマホ、もしくはタブレットで市場を取るための施策だったはずですが、これに目を付けた各メーカーが、Android搭載でやや兆しがあったスティック型PCにWindowsを載せはじめたのです。どころかインテル自身がスティック型PC市場に乗り出してきた。
Android搭載スティック型PCは、まあせいぜい通常のテレビに繋いで動画(動画配信サービス含む)を見る程度にしか使えなかったのが、Windowsを載せることによって、もうちょっと幅広く使えるってのが売りなわけです。
アタシは詳しくないけど、かつては悪評が高かったAtomCPUも現状「最新3Dゲームをしたり動画編集でもしない限り」かなり実用的に使えるようになってきた、らしい。Atom搭載PCを使ったことがないから実際は知らないけど。まあでも、ブラウジングをしたり、動画を見たり、WordやExcelを使う分には過不足はないってことなんでしょう。
さて、話は変わるようですが、新MacBookです。
個人的にはCoreMってのが気に入らないけど(少なくともMacBook Air2013からの買い替えには力不足)、ま、Retinaディスプレイ搭載といい、新機構のキーボードとトラックパッドといい、やっぱりそそられる製品ではあります。
新MacBookで一番の議論ポイントといえば、USB TypeCでしょう。何しろ本体に搭載されてる「穴」はイヤホンジャックと、このUSB TypeCだけ。それもたったひとつ。アタシが使ってるMacBook Air(11inch)で搭載されてたUSB3.0x2、Thunderbolt(もちろん外部ディスプレイポートも兼ねる)、そして充電用のMagSafe2まで、すべてUSB TypeCひとつに集約されている。
従来のノートPCと同じ使い方を想定してしまえば、こんなの使えないってなって当然なんですね。
でもここらへんはアタシは心配してないんですよ。
昔、iMacだってシリアルポートや拡張スロットが非搭載でUSBしか付いてなかったわけですが、結果的にそれがUSBを一気に普及させることになったわけです。
おそらくUSB TypeCもそのうち各メーカーが採用するだろうし、それに合わせて周辺機器も充実するに違いない。
ただ疑問もある。
何故USB Type-Cの最初の採用機種が新MacBookであったのか、ということです。
USB TypeCがあれば、一本のケーブルで電源とディスプレイポートとUSBによる拡張端子がすべてまかなえる。これはそれこそMac miniやApple TVと非常に相性がいいはずなんです。
Apple謹製のディスプレイにUSB Type-Cを搭載して、ディスプレイ側にUSB端子を3つくらい付ける。んでケーブル一本をMac miniと繋げたら接続完了。何ともスマートなセッティングじゃありませんか。
実はこのUSB TypeC、Mac mini以上にスティック型PCと相性がいいと思うんです。
スティック型PCは利便性を考慮したら、ポートはなるべく多い方がいい。ましてやMacじゃなくてWindowsなんだから。
でもポートを増やせば増やすほど小型化が難しくなる。当たり前です。
それがもしUSB TypeC搭載となったらどうでしょうか。ポートはひとつで済む。何ならmicroSDカードスロットすら必要ない。
とはいえ完全にUSB TypeCだけにしてしまうのは時期尚早かもしれません。
スティック型PCは家のテレビやビジネスホテルのテレビに繋いでって利用法を考えたらね、普通のテレビにもUSB TypeCポートが搭載される時代になったらそれでいいんだけど。
でもここで発想を変えます。
スティック型PCを「何かと合体させることによって初めて使える」モノにすれば、これは非常に面白いし、ツブシも効きます。
たとえばタッチパネル付きのモニタ&バッテリー搭載の「ガワ」にスティック型PCを合体させればタブレットになる。さらにキーボードも付いたガワに合体させればノートPCになる、といった塩梅です。
それでは家庭用やビジネスホテル用となると、どう考えてもキーボードのガワが一番具合がいい。
最近、まあ半分はシャレなんだろうけど、マウスにWindowsPCを押し込んだモノが出ましたが、いくらなんでもマウスは無理がある。何より拡張性がまったくなくなってしまう。
そこへいくとキーボードってのは一番無理がない。どのみちPCとして使うならキーボードは絶対いるしね。
キーボードの後ろっ側は空いてるわけだから、そこにUSB端子なりディスプレイポートなりをつければいいんだしね。いわばモニタ無しノートPCみたいなイメージです。
キーボードといえば外部周辺機器ってイメージが強くなってしまったけど、大昔のマイコンと呼ばれていた時代の8bitPCは本体とキーボードが一体ってのが基本だったんです。MSXなんかほとんどそんな形状でしょ。
要はあれに立ち返るわけです。といってもあくまで見た目だけ。実際には「キーボード+各ポート付き」のガワとスティック型PCをUSB TypeCを使って合体させた「だけ」のものなんだけど、オッサンホイホイにもなるし、利便性も損なわれてない。さらにツブシも効くわけで(やっぱりタブレットがよかったとなってもタブレット型のガワを買えばいいんだから)、これはいいんじゃないかと。
ただしいろいろソフトハード両面での工夫はいるかもね。
ガッチリ固定できるようにスティック型PCのサイズを規定したりとか、急にガワを移し替えた場合を想定して小さいバッテリーを搭載するとか、解像度ごとにデスクトップ画面を用意するとか。(でないとデスクトップがグチャグチャになる)
マイクロソフトもインテルも、そういったことに力を入れてくれると、もっと面白い製品が出来ると思うんだけどね。