電子書籍ってどうなるんだろ
FirstUPDATE2014.8.11
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何かもう何度も電子書籍の話を書いた気になってたけど、実はTwitterでちょこっと書いたくらいでブログとしては書いてなかったのね。そうか。

何でイマイチ電子書籍が流行らないか、アタシが考える理由はふたつです。

・ウソついてる
・売り方が悪い

いきなり「ウソついてる」といわれてもサッパリでしょうが、実際ほとんどウソに近いのですよ。
はっきりいえば「電子書籍<販売>」ってのが良くない。だって売ってねーじゃん。
わりと最近も問題になりましたが、サービスが終了すると読めませんよ、なんて、どこが販売だと思うんですね。
きっと「電子書籍を読む権利を買ってもらったんだから販売」という詭弁をいうのでしょうが、じゃレンタルビデオとかどうなの?あれも「映像を見る権利を売ってるんだから販売」になるの?

そこは普通「レンタル」という言葉を使うでしょ。でも使わない。レンタルと銘打つと紙の本より大幅に安くしなきゃいけなくなるから。
なんかズルいんだよね。なるべく高く売りたいから「販売」って言葉を使うってのが。これはもうウソ以外の何物でもないわけで。
今電子書籍販売といわれているものは、正確には「無期限レンタル」なんですよ。
端末が壊れたら読めないってのは、まだわかる。紙の本でも火事とかで燃えたらおしまいだし。でも電子書籍サービス会社の都合で読めなくなって、ゴメン、そういうものだから、といわれて納得できるわけないですよ。

もうひとつの「売り方が悪い」ってのですが、何で紙の本を買ったら自動的に電子書籍端末でも読めるようにしないんだろ。一部の雑誌ではそういうサービスを始めたみたいだけど、雑誌じゃなくて新書とか文庫本でこそやるべきですよね。
まずは書店で本を買ってもらって、電子書籍を読める権利も同時に得ることができる。このやり方なら取次も歓迎するだろうし、ユーザも面倒な自炊なんてもんをしなくてよくなる。もちろん古本の扱いは考えなきゃいけなくなるけどね。

アタシの個人的考えですが、電子書籍とネットはすこぶる相性が悪い。ましてやたかが本を読むくらいでネット認証なんて最悪としかいいようがない。
本てのは基本的に「読み物」じゃないですか。そして一部を除いて「暇つぶし」のためのものです。これはwebページと丸かぶりなんですよ。
書籍と名がつくくらいだからクオリティも情報の精度も高い場合が多い。とはいえ即時性や網羅性ではネットに到底太刀打ちできない。

じゃ映像はどうなんだという話ですが、映像は個人じゃ作れないですよ。いや作れる範囲が極端に狭いというべきか。音楽だってジャンルによっては難しいものがいっぱいある。
要は映像も音楽も、集団としてのプロがいないと作れるものが限られてしまう。
でも「読み物」は可能なんです。もちろんクオリティさえ問わなければの話ですが、差異が「クオリティと情報の精度だけ」ってのは、これはしんどい。だってネットはタダなんだもん。
だから書籍というものをネットと同じ土俵に上げちゃいけないと思うのです。

アタシが思うベストの電子書籍の販売方法は、まず電子書籍専用のメディアカードの規格を作る。もちろんガラパゴスでいい。本というものの性質上、国際規格のようなものは不要です。
そのメディアカードを書店で販売する。別に書店じゃなくてもネット通販でも構わない。とにかく電子書籍を読むには「メディアカードというブツ」が必要という形を取ればいい。
販売価格も紙の本とほぼ同等でも文句をいわれないだろうし(それでもいうやつはいうけどね)、古本の問題も、まあ出てきづらい。

これはね、実はゲームソフトと同じ考え方なんです。ところがゲームでさえダウンロード販売という手法に流れている。
つかPS4やWii Uといったゲーム専用機はね、本当はネットに頼っちゃいけないんです。いや、これは音楽や映画にもいえるんだけど、ダウンロード販売は禁断の果実みたいなもんでね。これだけネット社会なんだから、そっちのが便利だろって声が大きいのはわかる。でも便利なのは買う時だけなんです。恒久的に使おうと思ったら不便なことが山ほど出てくる。
なんかね、ネットがあるから便利、ではなくて、ネットがないと何にも出来ない、という方向に行きかけてる。それはいろいろ怖い。

まあそんなことをいっても、ネットの話も電子書籍の販売方法も、もう遅いねや。今井良介。







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