精神的にいつ少年は大人になるのか、そんな難しいことをアタシがわかるはずもないし、語れるわけもない。そうじゃなくてサブカル的に大人に近づいていった個人的経緯を書いていこうかなと。
何でそんなことを書こうと思ったかといえば、いわゆるアニオタが何故アニオタになるのか考えてたからでして。
アタシがアニオタになりそうでならなかった経緯は以前書いたのですが、要約すればポイントはふたつです。まだそこまでアニオタ文化が成熟していなかったこと、そして他にハマるものが出てきたからです。
ということは、つまり、アニオタなんてダサいとか、アニオタなんてキモいとか、アニオタなんてイタいとか、アニオタなんてハズいとか、アニオタなんてクサ・・、いやもういいです。とにかくアニオタにネガティブな感情があったわけではまったくなかった。つかアニオタの全体像みたいなものですらおぼろな時代でしたからね。
小学生時代にハマったものといえば何といっても藤子不二雄でしょう。それが中学→高校と進む間に「機動戦士ガンダム」とか「うる星やつら」といったアニメ、そして以前書きましたが吾妻ひでおになっていくわけです。
とはいえ藤子不二雄に興味がなくなったわけじゃなく、SF短編やブラックユーモアや「まんが道」にもハマっていた。
が、これはいわば「裏趣味」といえる存在になっていった。
当時は藤子不二雄といえば、どうしても「子供向き」とイメージが強かった。「SF短編やブラックユーモアのどこが子供向きなんだ!」と説明する間もなく、そう決めつけられた。もっとはっきりいえば馬鹿にされた。だから自分から進んで「藤子不二雄が好き」というようなことはなくなるのです。そういうのに一番多感な中学時代ならなおさら、ね。
もちろんガンダムもうる星やつらも吾妻ひでおも好きなのは本当だし、そういう話をしても馬鹿にされることはない。当時はアニオタにたいしてネガティブなイメージのない時代だったし。
だから自然と比重は移っていきます。
子供ってね、ある時期を境に「お子様ランチ的なもの」に異様な嫌悪感を覚えるものです。
アタシの時代でいえば、それが藤子不二雄であり、「コロコロコミック」であり、「8時だョ!全員集合」であり、東映まんがまつりであり、まんがの歌(アニソンとはちょっと違う)であったりしたのです。
音楽でいえば、アタシはロックやアイドルソングに行かず、何故か「昔の歌謡曲」に針が振れてしまい、それもなんとなく人に言いづらい趣味になりましたが、とにかく馬鹿にされることを恐れたアタシは「8時だョ!全員集合」を止めて「オレたち!ひょうきん族」にチャンネルを変え、藤子不二雄を裏趣味に移行していったのです。
逆にいえば、ひょうきん族を見たりうる星やつらを見たりしている分には馬鹿にされることはなかったのです。
今では中二病なんて言葉がありますが、子供文化嫌悪期において「アニメ」ってのは、結構いい着地点です。
大人の世界っていうと、ものすご~くステレオタイプ的にいえば、酒とかタバコとか風俗とか、まあいろいろありますが、そういうのは子供の世界と地続きじゃないからなかなか近寄りがたい。そこにいくとアニメは完全に地続きですからね。
いや、実は中学時代、アニメみたいな地続きモノじゃなくて、完全なる大人の趣味に興味を持ったことがありました。それがゴルフと麻雀でして。といってもきっかけはゴルフなら「プロゴルファー猿」だったり、麻雀だったら「フリテンくん」だったりしたので、完全に地続きじゃなかったかといわれればそうじゃないんだけど。(現注・とは書いてるけど、よくよく考えたら麻雀はともかくゴルフは「プロゴルファー猿」じゃなかったと思う)
ま、所詮子供文化嫌悪期に始めたものなので、ゴルフも麻雀も今はまったくやってませんが。
なんとなく、もちろん対象は違いますが、この辺のことは今も当時も変わってない気がします。入りやすい「脱・子供文化」であるアニメがあったら惹かれる人がいっぱいいても当然だろうし、今はアニオタ業界が成熟していますから、いい年齢になっても継続してしまうのもわかる。
アタシだって今くらい業界が成熟してたら、今もアニオタだったかもしれないし。まあそれでも今のギャルゲータッチに性欲をかきたてられるかといえば無理だけどさ。
もちろんそれは大人になること、とは違うんだけどね。子供文化嫌悪期の延長ってだけで。とはいえ酒・タバコ・風俗が大人になる条件とも思いませんが。