藤浪晋太郎という規格外の男
FirstUPDATE2013.8.9
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久々にリアルタイムに近いブログ更新を。ま、野球ネタなんで、興味のない人はスルーでよろ。

阪神の秋山が8月8日の広島戦で6回無失点とやっと結果を残しました。残念ながら勝ち投手にはなれませんでしたし、これでローテーション入り確定ってわけでもないですけど、次にまたチャンスをもらえるのは確実です。
秋山を見てて、ついに高校時代の球速と、持って生まれたマウンド度胸と、プロに入ってから磨いた変化球がひとつの形になってきたな、と。これは喜ばしい。今後一軍で実績を残していけるかはまだわかりません。だけれども「もう二軍ではやることがない、あとは一軍での結果だけ」ってレベルまで持ってきてるのも事実です。

プロ入り4年目、つまり大学に行ってたら4年生ってことですか。問題はこれを早いとみるか遅いと見るか。
たしかに一年目に4勝したことを考えれば時間がかかったといえなくもない。しかしやっぱりね、これくらいはかかるもんだと思うんですよね普通は。
前回落ちた時もずっと課題のセットポジションでのバラツキを修正できなくて痛打を食らってた。そういう課題をひとつひとつ克服しようと思えば年単位で見るのが普通だとね。
いやまだ秋山はいいんですよ。ずっといわれてる課題を克服できないまま戦力外を通告される選手だって珍しくない。というか大半がそうです。

何がいいたいのかというと、藤浪って投手が如何に規格外かということなんです。
まだ完成品にはほど遠いので、登板の度にボロが出てくる。しかし次の登板では修正してくるっつー。普通は年単位で修正するのをたった一週間やそこらで改善してくるなんて前代未聞です。

ドラフトの直後からアタシは「藤浪が凄いのは修正能力」といい続けてきました。しかし正直いって「まさかこれほどとは」という感じでして。
一般的に器用といわれる投手、野手的な要素をもった桑田や石川、それとは違いますがダルビッシュも桁外れに器用です。
藤浪は一見不器用そうに見える。細身の長身なんだから、つまり見た目的にですが、桑田やダルビッシュともまた違った器用さです。

ここまで器用だと、よくいわれる藤浪の欠点であるクロスステップも、わざと直さないんじゃないかと思えてくる。
クロスステップは怪我しやすいといわれてますが、あれだけ容易くフォームを修正してくる藤浪がそこだけ手をつけないってのは、何だか「ちゃんとわかっててやってるから。怪我するようなヘマはしねーよ」といってるような気さえしてくる。

いったいどうやってこんな規格外の選手が出てきたのか。大阪桐蔭の指導力か?
ついでに書くけど森ね、ありゃ化け物だわ。打撃もだけど雰囲気がすでに谷繁ばりってのはどういうことだよ。まだ高校生だよね?
谷繁といっても今の谷繁ね。若手の頃の谷繁はこんなふてぶてしい雰囲気はなかったもん。
藤浪にしろ森にしろ、単純に才能だけの問題じゃないと思う。やっぱ何か特別な指導法でもしてんのかしらね。

何かね、藤浪を見てると他人事とは思えんのよね。
アタシは典型的な不器用人間だけど、さすがに全部が全部不器用というわけではなくて、わりと器用な面もあったりはするんですよ。でもその「器用な面だけ見て」ああコイツは器用だと勘違いされると辛いことになる。その繰り返しでした。
藤浪も小手先の細工は器用なんだけど「プロ野球選手という職業」にたいしては不器用すぎた。頑固になっちゃいけないところで頑固になって、フレキシブルにやらないといけないところでフレキシブルになれなかった。だからあれだけ、数年にもわたる不調から抜け出せなかったんです。
つまりね、藤浪は規格外ではなかった。でも悪く言ってるんじゃなくて、藤浪も普通の血が通った人間だった。それもアタシと近似のある、不器用なダメなヤツだった。
だからこそアタシは彼を応援する。ま、応援ってよりは「お互い大変だよな。でも、やれるだけやってみようぜ!」っていう自分に向けてのエールでもあるんだけど。




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