アタシを10年に渡って虜にしてきたWindowsMobileが終焉しました。
これはマイクロソフトが「Windows Mobile 6.x Marketplace」のサービスを停止したことを受けて「WindowsMobileは終焉した」と判断したのですが、それだけじゃない。ハード自体もこの世から消滅しようとしている。
嘘だと思うなら秋葉原に行けばいい。新品が売ってないのは当然としても、中古を探すことさえ難しい。見つかったとしてもほとんど5000円以下という投げ売り価格で、店頭ならぬ店の奥の方の、ひたすら目立たない場所に置かれている。
後継といえるWindowsPhoneは普及の目処が立たず、タブレットに関してはMicrosoftはARM版Windows8を推していくはずで、スマフォという限られた範囲で戦わなければならないWindowsPhoneに勝算があるとは思えない。
そういえば昨年イギリスに行った際、まだ日本未発売だったWindowsPhoneに店頭で触れ、軽く感想を書いたことがありました。「よくできてるけどそれだけ」という当時の感想は日本国内でWindowsPhoneが始まった今でも変わりません。
とにかく「不安定になるまでイジれる」WindowsMobileから、「2ちゃんねるブラウザアプリすら規約で出せない」WindowsPhoneへの変貌は、まったくアタシの興味の範疇から外れることに相成りました。
WindowsMobileを一言でいうなら「建て増しOSの悪しき例」になってしまいます。WindowsCE1.0をベースにしたパームトップPCから始まって、PocketPC、PocketPC2002、PocketPC2003SE、そしてWindowsMobile(もちろん5.0~6.5も含めて)まで、よくいえば時代に合わせて高機能化したといえるのですが、実態はコンセプトも何もなく、どんどん建て増ししていっただけなので、すべての面で無理が出ていました。
全体的にもっさりなのも困ったところで、通常はOSが重くなってもハードの高性能化で相殺されるのですが、当時は何故か(いや、理由はわかってるけど割愛)ARM系CPUの進化が非常に遅く、建て増しからくる動作の鈍化にハードが耐えきれなくなっていました。
それを支えたのは「不安定になるまでイジれる」WindowsMobileの特性で、非常に使いづらく重いWindowsMobileをユーザーが改善していったのです。
OSの不具合を根本から解決するような非常に優れたアプリケーションがいくつも公開され、しかもそれらはほぼフリーウェアでした。まあいや無償奉仕です。
アタシはね、これらのアプリケーションを開発しているプログラマーを、Microsoftは高額のギャランティで雇うべきだと思ってました。その方がユーザーもMicrosoftも双方が嬉しいことになると思ったからです。
ところがOSのバージョンが上がるにつれ、それらの優秀なプログラマーでさえ匙を投げる不具合を増やしていっただけだったのです。
アタシはふとしたきっかけからiPhoneを購入し、当時使っていたWindowsMobileとクロスフェードみたいな感じだったのですが、それでも未だにWindowsMobileに対して思い入れはあります。もう全然使っていませんがね。
もう二度とWindowsMobileなんか使いたくないと思う反面、もう一度使ってみたいと思うアプリケーションはあります。
その代表が「2++」と「MortScript」のふたつです。
「2++」は旧yabuniramiJAPANでも取り上げましたし、こっそりやってたモバイルブログでも数回に分けて使い方を書きました。
簡単にいうと2ちゃんねるブラウザなのですが、もっと範囲が広く、RSSリーダから簡易メーラーと非常に幅広く使える万能リーダでした。
iPhoneにして困ったのは2ちゃんねるブラウザにしろRSSリーダにしろ決定版といえるものがなく、もちろん部分的に超えてるところはあるのですが、トータルでみれば2++に到底及ばないのです。
MortScriptに関しては、今でもWindowsでガンガン使っています。つかスクリプトはこれしか使えないし。まあモバイルでシコシコとスクリプトを書くのが楽しかったので、またやりたい気持ちはあるんだけど。
いろいろと不満、いや不満しかなかったけど、それでも楽しい思い出もいっぱいあるWindowsMobile。ま、最後なんだから素直にありがとう、といっておきます。