さて今回は「3年B組金八先生ファイナル」について。
今まであまり触れてなかったのですが、パート1とパート2はね、アタシが小学校高学年の頃だから、影響を受けてないわけがないのです。見るのは当然だったし、実際かなりのめり込んで見てましたからね。
実はそれ以降のシリーズもスペシャルも、ほとんど見ていません。特に理由はないんだけど。が、関東でパート1の再放送をやってて、見れる時は何となくつけてたんだけど、いやあ、これは相当いい加減な話だなぁと。
何となくもっと真面目なドラマと思い込んでいたんですが、実際に見るとスレスレですね。もちろんコメディ要素があったのは覚えているのですが、設定もコントスレスレというか。
というか昔のTBSのドラマってこんなんばっかでしたよ。コントスレスレの設定を手堅い演出で一見ちゃんとしたドラマにみせる、みたいなね。大映ドラマなんか特にそうなんだけど、名作揃いと誉れ高い金曜22時枠のドラマも破天荒な設定の話が多いんですよ、今の目で見るとね。
金八先生もまさにそれに則っているというか、とにかく無茶ぶりするだけしておいて、どううまく収拾させるか、その辺がうまくいったから未だに語り継がれているんだと痛感したわけです。
全体の感想を書いてもしょうがないので、気になったことだけを書きます。といっても粗探しではありません。
いっこめ。パート2で加藤優役を演じて一世を風靡した直江喜一ですが、Wikipediaなんかを読むに役者を辞めていたようですね。ですが今回のファイナルでは最も重要な役を演じ存在感を示していました。
やっぱ加藤優には思い入れがありますからね。ジャニーズ系でないだけ余計にカッコよかった。特別演技力があるわけじゃないんだけど、存在感ですよね。とにかく素晴らしかった。直江喜一のおかげでドラマに筋が通った気がします。
にこめ。理科の教師役なんですが、ちゃんと存在感があって、ある意味型通りのパチッとした芝居をしている。こんな役者いたんだなと思って、よーく、ホントによーくよーく見てみると、四草でした。
四草(しぃそぅと読む)と言われてもわかんない人は訳わかんないでしょう。これは「ちりとてちん」の役名でして、演じたのは加藤虎ノ介。このドラマで加藤虎ノ介は複雑な内面を持つ四草という役を演じきったのですが、こういう型通りの役がここまでちゃんとできる役者だとは思わなかった。
さんこめ。実はこれが一番驚いたのですが、杉田かおるです。
杉田かおるといえば21世紀では、とんでもないことを言い出すバラエティタレントなんですが、もともとは天才子役といわれた人なんですよねぇ。今の若い人は知らない人も多いだろうし、知ってる人もつい忘れがちなのですけど。
そういえば松本人志がラジオで自身に影響を与えたドラマとして「パパと呼ばないで」、「池中玄太80キロ」、「3年B組金八先生」をあげた上で「全部杉田かおるが出てるんよなあ」といっていましたが、それぞれ各年令に応じた素晴らしい演技をしていたのです。
が、何故なのか、ドラマや映画に出ることがあまりなくなり、すっかり飛び道具的にバラエティ番組に出るだけになってしまって、最近はそれすらあまり出てこなくなりましたが、そんな彼女が金八先生に出てどうするのかとちょっと思っていました。
ところがところがです。彼女が金八先生で演じていたのは浅井雪乃という、中学生で妊娠して子供を産むという、とんでもない設定の、実に難しい役だったのですが、今回のファイナルでちゃんと「浅井雪乃の30年後の姿」として登場したのは驚きでした。顔すら「浅井雪乃の30年後」になっていたのはすごすぎるという他ない。
いわゆるバラエティタレントとしての杉田かおるなど微塵も感じさせない、完璧に浅井雪乃を演じたのです。
これはずっと役者一筋の鶴見辰吾が宮沢保を演じるのとは訳が違うのです。
うーん、本人にどういう考えがあるのかわかりませんが、やっぱり天才ですよ杉田かおるは。こんな女優をほっておくのは実にもったいない。何とかならんもんかなぁ。