ま、現実的なことを記していくようなエントリじゃないし、そう思われたら夜も・・・まあ別にいいや。

さいきんCMなんかでちょくちょく濱田マリを見ます。
いや、ここ数年、出ている頻度はたいして変わらないのかもしれないけど、アタシのタイミングの問題でやたら目にする機会が多いってだけかもしれない。
彼女がメジャーデビューしたバンド、モダンチョキチョキーズのヴォーカルをやってた頃から何となく注目していて、これはふた皮くらいめくればいい脇役タイプのタレントになるかもしれないと思っていた。
さあ中途半端な、よくわからない言い回しをしてしまった。しかもふたつも。
まずひとつ目の「ふた皮くらいめくれば」というところでしょうが、初期の彼女は、何というか、いろいろ濃すぎた。しかも悪い意味で。これじゃ一般受けは難しいんじゃないかと感じていたわけで。

で、ふたつ目の「いい脇役タイプのタレントになるかもしれない」の部分、これが今回の主題です。
もう一度繰り返します。彼女はモダンチョキチョキーズというバンドのヴォーカルとして世に出た。このバンドはある意味いい加減なバンドで、濱田マリ以外のメンバーは実体がよくわからなかった。逆にいえば濱田マリだけは「確固たる存在」としてモダンチョキチョキーズを支えていたわけで。
つまり彼女はバンドの顔であったのです。
が、どうにもそういう役回りに違和感があったったというか、彼女の内面はどうか知らないけど、アタシが見るに、なんだか全然＜夢＞のないタイプに見えたんですよ。
実生活で彼女は二回結婚をしているようですが、結婚にたいして＜夢＞を抱えているタイプには見えない。どうも超現実的な結婚観を持っているような気がしてしかたがなかった、というか。
そういう人はね、芯には向かないんですよ。だから脇役に向いている、と思ったのです。

さてもうひとり、というか、ひと組、似たようなタイプで、ほぼデビュー時期も一緒なのがスチャダラパーです。
ずっと彼らは「ブレイク寸前」みたいにいわれてたし、本人たちもそのことをギャグにしていた。
さすがにもうそんな時期はすぎたけど、ブレイクしないのは濱田マリ同様、＜夢＞がないからなんじゃないか。
彼らのリリック（詩）は徹底的に現実的であり、＜夢＞を売る側ではなく＜夢＞を買う側にいる。ブレイク寸前までいってもブレイクまでいかないのはそのためだ、とね。

何だか悪口のようだけど、そうじゃない。おそらく濱田マリもスチャダラも、ある種の確信犯ではないかと思うからです。
個人的な話ですが、モダンチョキチョキーズもスチャダラもなぜか関係者に知人がおり、ごく初期から知っていて、感情移入もしているのですが、彼らはどうも意図的に一般受けを避けているようにも思う。
一般受けを避けるには、＜夢＞を売らないのが一番なんです。
何故一般の人は高いお金を出してライブに行ったりCDを買ったりするのか、それらにお金を払うのは代償行為であり、実体は＜夢＞を買っているわけで。

名前からして一番わかりやすいのは、そう、DREAMS COME TRUE、つまりはドリカムです。
ドリカムの初期、とまではいわないけど、「LOVELOVELOVE」の頃までは完全に＜夢＞を売るためのバンドでありました。
よく「昔のドリカムはよかった」なんていう人がいますが、それは昔は＜夢＞を売っていたからであり、途中でなぜかそれをやめてしまった。そりゃ＜夢＞を買っていた人たちからすれば「昔はよかった」ってなるのは当然なんです。
アタシからすれば、＜夢＞を売るのを止めたのにDREAMS COME TRUEって名前もねえだろ、とは思うんだけど、まあ完全に止めてしまったわけではないとはいえ、それでももう今のドリカムの「＜夢＞売り曲」は当時のセルフカバーに近いものばかりで、思惑通りいってるとは言い難い。

少し話はズレますが、アタシが電気グルーヴを比較的買っているのは、彼らもまた意図的に＜夢＞を売らないスタンスであるにもかかわらず、＜夢＞を売ろうと思えば売れるんだ、できないんじゃなくてやらないだけなんだ、と証明してみせたからです。
そして＜夢＞を売るための曲のサビが「＜夢＞でキスキス」なんだから、完全に「わざと」としか思えない。まあ知らんというか想像だけど。

もう、濱田マリと言えば完全に「女優」だけど、この人そもそも女優になりたかったのかね。 アタシは演技の巧拙は一切わからないので言及するつもりはないけど、たいていは「大阪のオバチャン」みたいな、しかしたいしてアクのない役をやってるんだけど、良くも悪くも溶け込み過ぎてるんですよ。 ただ「カーネーション」の濱田マリは良かったね。こういう沈痛なことも出来るんだ、とちょっと感心しました。

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