相撲の伝統芸能化の是非
FirstUPDATE2009.2.19
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相撲のことを考えると夜も眠れない、という状態になったことは一度もない。

これでも子供の頃は人並みに相撲を楽しんでいました。ま、楽しんだレベルであって、熱中した、ではないんだけど、場所中は夕方になるとNHKにチャンネルを合わせたクチです。
大人になってからはほとんど見なくなったけど、これは周りに相撲を見ている人がいない、というのが大きい。嫌いではないが大好きでもない。こういう場合、会話として盛り上がれるというのは大きなプラスアルファになるわけで。
サッカーのワールドカップなんかいい例です。しかしいろいろ事情があって最近代表の試合は見てないのですが、それはまた別の話。
周りに相撲好きな人がいない、よく考えてみればわりと当たり前なのかもしれない。

大相撲は年に6回、15日間行われる。日曜日からはじまり、翌々週の日曜日に終わる、ということはつまり、15日のうち、10日は平日に行われていることになるわけです。しかも幕内の取り組みはだいたい16時から18時の間。
よく考える必要さえない。平日の夕方に誰がテレビを見れるというのだ。
勤め人は業種にもよりますが、まァまず無理。ラジオが関の山でしょう。しかしサッカー同様、相撲のラジオ中継は何がなんだかわからない。
自営業者なら見れるかもしれないけど、これまた業種によるとはいえ、商店の場合はカキイレ時です。ゆっくり観戦できるなんて、道楽でやってる人に限られる。
専業主婦なら見れるかもしれないけど、そもそも相撲は女性向きじゃない。
じゃあ録画して、といってもスポーツを生で見ず録画なんてよほどのファンがやる行為です。

アタシもそう見る機会があるわけじゃありませんが、相撲がつまらなくなった、とは思わない。
スター不在なんていわれるけど、朝青龍なんて立派なスターじゃないか。(悪役だけど)
結局相撲も、歌舞伎なんかと同じジャンルに入ってしまうのだろうかね。ある種のマニアのものになってしまうのだろうか、と。
歌舞伎だって1960年代までは有名な話は子供でも知っていたらしいし、コントでもよく歌舞伎ネタのパロディが取り上げられていました。
元ネタが知れ渡っているからパロディをやっても成立するわけで、では今、相撲ネタをやってコントが成立するかと考えると難しい。

相撲ほど単純明快なスポーツはない。だから最低限のルールぐらいはまだ結構な人が知ってると思うけど、パロディとして成立するには、たとえば幕内力士(三役以上でもいい)の得意手や、行司のひとりふたりの名前がソラで出てくるぐらいの知識が観客側に必要になってくる。
別に歌舞伎の仲間になりたいならそれでもいい。でも、「伝統芸能」ではなく「スポーツ」であるなら、ちょっとマズいんじゃいかと思うんだけどね。

一度伝統芸能に入ってしまうと抜けられなくなってしまうと思う。猿之助ががんばってもあんなもんだし。抜け出せた例をアタシは知らない。

何だか、2009年時点よりもさらにマイナー化が進んだように思うのですが、そういうアタシも結構長い間相撲を見てないんだよな。
ってやっぱ、時間帯の問題は大きいよなぁ。




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