地獄のホームパーティー
FirstUPDATE2008.9.23
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一度でいいからホームパーティーなるものをやってみたかった。って馬鹿みたいな話ですが、アチラ製のドラマを見ていると、やたらホームパーティーを開いているので影響を受けたっつーか。

いや、アチラまで行かずとも、数年前ヒデがホームパーティーを開いている体のCMがありましたが、ヒデがデジカメでその様子を撮影し、すぐさまプリントアウトしてやるっつー内容でした。(現注・たしかキヤノンのプリンタのCMだったと思う。あ、言うまでもなくヒデとは中田英寿のことね)
ホームパーティーの定義はよく知らんけど、こんなことを実際にしたらまず嫌われるだろう。後でやれよ後で。相手がヒデだからみんなあきらめているのか?まぁ日本代表の合宿で、みんなでトランプとかしてるのに、ひとりだけ参加しないヒデのことです。この程度の行動では皆ビクともしないのだろうね。

いや、ヒデの話はどうでもいい。ホームパーティーの話です。

先日友人のところへ遊びに行った際、共通の友人である別の夫妻を呼ぼうという話になった。
メンツとしては友人夫妻と共通の友人夫妻、そしてアタシの5人。

5人、5人かぁ・・・
その瞬間、頭に線香が走った。いや違った。閃光だった。

ほーむぱーてぃーができるじゃないかびっくりまーく

とはいえ友人の部屋は広いとはいえ、所詮うさぎ小屋にたとえられる日本国内のマンションです。さすがに立食パーティーは無理で、ふつうにテーブルとイスを用意した。
これじゃただの食事会と変わらないんだけど、違う。断じて違う。これはホームパーティーなんだ!そう自分に言い聞かせた。ついでに友人にも言い聞かせた。

言い出しっぺの責務としてアタシは料理を担当することになった。メシを食う以外、パーティーっぽいイベントは何もない。メシがすべてだ。つまり最大の任務を自ら志願したのです。カッケー!
志願兵はまず買い出しに行った。近所のスーパーとは置いてあるものがかなり違い、かなり苦労したけど、それなりの食材が用意できた。
共通の友人夫妻が来る30分ほど前、おもむろに調理を開始した。各料理の調理時間を計算し、30分もあれば十分だ、そう認識していた。
そして30分後、ほぼ時間ぴったりに共通の友人夫妻が友人宅に現れた。

ところが、です。まだ全然料理ができていない。まったく、ひとっつも完成していない、という体たらく。

いったいどういうことだ!

志願兵は焦りに焦っていた。
一人暮らしが長かったせいもあって、料理には慣れているはずでした。しかしこれが落とし穴で、今まで作っていたのはほとんどひとり分、多くてもふたり分でしかない。
今回は5人分です。しかも一応ホームパーティー風にしたかったので、最低でも5品は必要だと考えたのです。
5品を5人分。これは完全に想像を越えていた。大変なんてもんじゃあない。尽力しても全然終わらない。すでに共通の友人夫妻が到着してから30分以上経過している。

友人がせかしにきた。当たり前です。おそらくみんな腹ペコでしょう。だからこんなに、アタシも必死のパッチでやっているのだよ。でもできないものはしょうがないじゃないか!
焦りと理不尽な怒りが空気を悪くしていたのはたしかだけど、志願兵にそんなことを考える余裕は一縷の隙も残ってなかったのです。

やっと料理が完成しました。アタシが料理を作るというもの珍しさと気遣いもあって、幸いみんな喜んで食べてくれたのですが、志願兵は作り疲れで、もうお腹いっぱいの状態になっていた。ひと口も食ってないのに。

とりあえず一服しよう。たばこに火をつけた瞬間、忘れていた!パンを切って出すのを忘れていたのです。

急いでたばこの火を消して、再びキッチンに向かう。買ってきたフランスパンを包丁でスライスする。
それはそれは鬼気迫る姿だったようで、後で聞いた話ではキッチンから「ウー!ウー!」とうなり声が聞こえていた、らしい。

共通の友人夫妻が帰り、死ぬほどあこがれていたホームパーティーが終わった。祭りの後のなんとやらではないけど、アタシ心身ともに疲れ果てていた。
ホームパーティーってこんな大変なものだったのか。もちろん甘い計算をして調理を志願した自分が悪い。
しかし、思うわけですよ。ホームパーティーではないにしろ、毎日家族分の食事を用意している主婦の、なんとエラいことよ!
大人数の料理作りは肉体労働である、と改めて認識させられた。今も昔も大家族の主婦は肉体労働をしているのですな。ってもう、それだけで尊敬に値するわ。

実際にやってみたホームパーティーで学んだのは、そんなことであった。って、それで良かったんだろうか。

ホームパーティーなんか本場イギリスでもやったけど、そもそもパーティーって言葉に惑わされ過ぎるんですよね。
というかパーティー=特別なイベント、という意識が強すぎて、特別なことをしなければ、特別な気持ちで挑まなければ、みたいに思い過ぎると失敗する。
もっと普通にさ、ただの食事会みたいな感じでいいんだよ。つかそれで十分パーティーなんだよ。サプライズをやりたかったらやってもいいけど、普通の食事会でサプライズをやっちゃいけないって決まりはないんだし。




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