「記憶から消えかけてる」ことは数えるほどありますが、幼少の頃に見ていたアニメなんかとくにそういったものが多いような気がします。
アタシにとって、たとえば「おんぶおばけ」なんか最たる例でしょう。
「おんぶおばけ」は「おとぎプロ」を設立した漫画家の横山隆一(代表作はもちろん「フクちゃん」)によって、1955年に制作された16ミリ作品がベースとなってもので、1972年によみうりテレビ(日本テレビ系)で放送されたものです。
1972年というと、アタシは4歳ぐらいで、その後何度かされた再放送があったからこそ、かすかに記憶しているのでしょう。
制作は「サザエさん」でおなじみのエイケン。キャラクターデザインもどことなくサザエさんを彷彿させるものでした(実際「サザエさん」とスタッフが被っている)。
ただ民話っぽい話が中心だったためか、かなり地味な雰囲気で、主題歌のみが強烈に残っている人も多いはずです。
まぁアタシもほとんどおぼえておらず、具体的にストーリーを思い出せる話はひとつもないといったありさまでして、記憶から消えかけてるというよりも消えているに近いんですよ。
なのになぜ今回取り上げる気になったかといえば、これはおとなになってからだと思いますが、なぜか「おんぶおばけ」が再放送されていたんですよ。が、たいして思い入れのない作品だったせいで、その再放送もほとんど見ることがなかった。
ところが、何の偶然か、最終回だけ見てたんです。おそらくたまたまチャンネルがあってただけの話だろうけどね。
これがすごい最終回でして。
「おんぶおばけ」は石から生まれたおばけです。が、最終回でまた石に戻ってしまうんですね。
つまり永遠の別れがくるっていう展開なのですが、登場人物の村人のあたたかさとか、おんぶおばけの思いがありったけ描かれていて、またナレーションもすごくよくて(オープニングの「きらきらと輝く美しい翡翠。緑の石から生まれた小さいかわいい男の子・おんぶ。おんぶはおじいと一緒に暮らす事になりました」ってのもいい!!)、もう恥ずかしいぐらいにボロ泣きしてしまったんです。
ホント、もうこれだけ泣けるのかっていうぐらい泣いて。本編というか、他のエピソードはほとんど憶えてないのですよ。いわば懐かしアニメ系の番組で柴田理恵が泣いてるのと大差ないわけなんだけど、それでもグチャグチャになるぐらい泣いたんです。
何度もいいますが非常に地味だし、絶対に大向こうにウケるような作品じゃないのは間違いない。事実子供の頃のアタシはまったく惹きつけられなかった。でもこういう作品もちょっとぐらいあってもいいなぁと。子供だましじゃなくて、しっかり丁寧につくった地味な作品ってのもね。
今は某ようつべに「おんぶおばけ」のオープニングがあるので貼っておきました。 消されたら消されたら時のことって話で。 |
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