植木等最新作「砧音頭」の全貌
FirstUPDATE2005.5.8
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 2004年7月23日付の読売新聞の都民版にこんな記事がでました。

盆踊りは「砧音頭」で
 世田谷区の砧町町会が、夏祭りなどで踊りを楽しみながら地元への愛着を深めてもらおうと、オリジナルの「砧音頭」を完成させた。作曲は砧在住の俳優植木等さん。植木さんのヒット曲「スーダラ節」を連想させる軽快なテンポが特徴で、24、25日の夜、三峰公園(砧4)で開かれる同町会の納涼大会でお披露目される。


 東京都世田谷区の砧地区以外に在住でない者が、この曲の存在を知る数少ない機会がこの記事だったわけです。といっても都民版の記事ですので、東京以外の人は知る由もなく、わりと伏せられているイメージがあります。
 が、これには理由がありました。

 2005年4月、植木さんと40年来の付き合いがあり、ゴルフなどもご一緒したことがあるという、砧町町会町(当時)の大島弘之さんに電話にてお話しを伺うことができました。

-この曲ができたいきさつは
「2、3年程前から旧来の音頭は古いので、何か新しいものをつくりたいと思っており、植木さんに作曲にお願いしたところ「ずっと砧に住まわせてもらっているので恩返しがしたい」とふたつ返事で引き受けていただきました」

-砧在住の方しかこの曲を知らないようですが
「植木さんの要望です。あまりおおっぴらにしてほしくないと。」

-どのようにして曲がつくられたのですか
「まず詩ができ、それに植木さんがメロディをつけました。ただ歌詞も植木さんがかなり手直しされています。一番の問題はアレンジと歌い手だったのですが、本格的にバンドを使うと費用がかかりすぎる。そこで植木さんの「息子にやらせるよ」という一言で息子さん(作曲家の比呂公一氏)に伴奏をつくってもらいました(注・おそらくDTMでつくられたと思われます)。歌い手は私がスナックを回ってスカウトしてきて、急遽男3女3の「砧エコーズ」をつくりました。そのうちのひとりは私です(笑)」

-植木さんはギターで作曲されたのですか
「いえ、鼻歌でした(笑)鼻歌でつくりながらご自身で楽譜にされていました」

-「砧音頭」を聴きたい人はどうすればいいですか
「今年(現注・2005年)も7月の23日24日に納涼大会をやります。もちろんそのときに「砧音頭」もやりますよ」

-最後に植木さん、お元気でしょうか
「2週間ほど前にもお会いしましたが、お元気でしたよ。昨年は少し体調を崩され「砧音頭」のお披露目会もキャンセルされましたが、現在はお元気にされています」


 大島さんは非常に丁寧にアタシの質問に答えていただき、なんというか、生の植木等という人に触れられたようで、非常に感激しました。
 それにしても実に植木さんらしいというか、鼻歌で作曲して楽譜にする、というエピソードなど、「いいかげんだけど、ちゃんとしている」という植木さん独特の二面性を見事にあらわしたエピソードですよね。

 植木さんの歌唱でないのは残念ですが(まァ年齢的なこともあり仕方ないです)、それでもできあがった楽曲は植木さんらしさが満載です。実際に聴いてみたところ、しっかりと萩原サウンドを継承しており、「スーダラ節」というより「よろしく音頭」に近いものがあります。
 植木さんは「これはオレがつくったってすぐにわかるな」と笑っておられたようです。

 音頭ですから当然振り付けもありますが、中に「スーダラ節」を彷彿させる振りもありますので、完全マスターして盆踊りに参加してみるのもおもしろいですね。

この「砧音頭」、今現在でもほほ知名度はなく、歌唱こそ植木等本人ではないものの「超特級の幻のクレージーサウンド」と言える楽曲です。ま、存在を知ってりゃそこまで入手には苦労しないのですが。




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