フットボールアワーは王道なのにクセになる
FirstUPDATE2004.12.5
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「この芸人は売れる!」と思っても、なかなか思い通りにならないもので。

さいきんはその法則みたいなものが、おぼろげながらわかるようになってきたんですが、特に漫才に関しては、結局は「いい芸風だなぁ」てのと「売れる」のとは、また全然別もんなんだということなんですね。
前にもちょろっと書いたんですけど、ティーアップとか矢野・兵頭とか、ああいう正統派のしゃべくり漫才なんか、もっともっと売れると思ってました。少なくとも全国ネットのレギュラー番組を持つぐらいにはね。
でも残念ながら現状ではそうではないですよね。ただそれはなぜか、と聞かれてもわかんないんです。
ほぼ同じタイプに思えた中川家があれだけ売れているのに。

中川家の場合、「あれは漫才とは関係ない部分で売れた」といわれるかもしれないけど、そんなことをいうなら中川家以上にこまかい芸を持っているオール阪神・巨人とか岡けんた・ゆうたなんかもっと売れたはずです。(なんの偶然か、どっちも岡八郎の弟子だな)
あ、念のため書いておきますけど、ここでの売れた売れないというのは、あくまでメディア上のことで、芸そのものとは一切関係ありません。
なんだかんだいいながらも、テレビで受け入れられるのは、ルックスの問題なのかなぁという気がします。別に男前どうのではなく、ブサイクでも今風のブサイクならオッケーなんですよね。キングコングなんてみてると本当にそう思ってしまう。

フットボールアワーを最初にみた時、ティーアップや矢野・兵頭といったライン上に位置する芸人にみえたんです。つまり「芸達者なのに売れない」みたいなね。あんまりテレビウケするルックスにも見えなかったし。
ただ抜群に器用だったというか柔軟性があったとしかいいようがない。で、器用がゆえにバラエティ番組にも登用されるようになり、テレビにでる数に比例して見た目も洗練されてきた、と。若い時分からそういういいスパイラルになったので、いわゆる器用貧乏にならなくてすんだんじゃないでしょうか。
この流れはちょっとだけダウンタウンに似てますね。さすがにダウンタウンほどの器用さはありませんけど。でもテレビの世界でも、ある程度までいける気がするんです。

さて、フットボールアワーの漫才そのものですが、ひとことでいえば、オーソドックスなのにクセになる漫才、といった感じでしょうか。
このクセになる、というのはアンガールズとか安田大サーカスとか、最近の芸人の必須事項みたいになってますけど、「オーソドックスなのに」というのは珍しい。
フットの漫才の特徴として、同じところでボケを重ねていく、というのがありますが、この重ね方というか、ボケの掘り下げ方がすごく心地よくてクセになる。同じネタでも何度もみたいと思うし、もっと違うネタをみたいという欲求もでてくるんです。

アタシもフットのネタは10本程度しかみたことないけど、どれもおもしろいです。しかしおもしろい以上に、みてて楽しくなってくる。フラというか、存在そのものに楽しさがあるんです。けしてとんがっているわけでもなく、かといって偽善的なファミリー向けでもない。しいていえば若者向けなんだろうけど、非常にふわっとしているというか、いわば癒し系ってことになるんですかね。それは彼らがメインでやっている「フットボール汗」(テレビ大阪)なんかをみていても十分感じることができますよ。

ただ全国ネットの番組だとどうしてもサブになるので、どうしても彼らのよさが活きてこない。でもそれを乗り越えないとメインにはなれないわけで、まぁ難しいですけど、今後アタシがどこに住むようなことになっても、彼らを見続けられるような存在になってほしいと思っております。

「フットボール汗」でひとつだけ憶えているのは、アンパンマンのアトラクションの中から岩尾がやなせたかし先生の扮装で登場した場面で、あれはひっくり返って笑ったわ。




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