たいして織田裕二のファンてわけでもないんだけど、なぜだか織田裕二のドラマはみてしまうようになってまして。
きっと「お金がない!」とか「真昼の月」なんかがおもしろかったからでしょうね。なんとなく「ラスト・クリスマス」なんかもチャンネルを合わせてたりはするんですけどね。まぁ電話しながら見たりとかしてるんで、わりと適当な見方なんですが。
だから当然「踊る大捜査線」も見てました、といいたいところなんですけど、当時はクソみたいにいそがしいところで働いてたもんで、ほとんど見てなかったのです。たぶんリアルタイムで見たのは2、3回ぐらいだったと思う。
もちろんその後、ビデオで全部みましたけど、リアルタイムで見れなかったってのをずいぶん後悔しましてね。それで「踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル」の本放送時には、リアルタイムでみながらビデオを撮るという万全の体制で挑んだわけです。
アタシは「どんなにおもしろいテレビドラマも、ある程度の水準の映画には及ばない」と思っている人間です。なぜそう考えるかを語りだすと長くなるのでやめますが、単純に経験に基づいても「いくらおもしろくても所詮テレビドラマ」みたいなことが多かったんです。
特に2時間もののドラマは映画と構造が似ているので、どうしても比べてしまうんだけど、この「踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル」だけは、アタシがみた数ある映画の名作と比べても、まったく見劣るところがないことにビックリしたんです。
こんなすごいドラマがあったなんて!って感じですか。それはテレビシリーズでみた時とはまったく違う、あまりにも完成された脚本と映像美に酔ってしまったんですね。
とにかくなにもかもいい。変な言い方ですが、こんなにいいことずくめの作品もちょっとないですよ。もしこれが映画だったなら、間違いなくアタシの生涯のベストテンに入っているはずです。それぐらいおもしろいと思うし、好きな作品ですね。
しかしそれはフロックでした。
その後つくられた「踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル」も「踊る大捜査線 THE MOVIE」(1997・東宝、フジテレビ)も、はるかに「歳末特別警戒スペシャル」にはおよばない出来だったからです。
特に「歳末特別警戒スペシャル」とほぼおなじスタッフでつくられた「THE MOVIE」にはえらく幻滅しました。「天国と地獄」(1963・東宝、黒澤プロ)のパロディなんかも入ってますが、黒沢明の作品群の中でもさほど評価の高くない「天国と地獄」と比べてもつまらなすぎる。ホント、パロディにするのが失礼なぐらいです。
そのせいか、去年公開された「THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」にいたっては、いまだに観る気がしません。
アタシは「踊る大捜査線」が突出したのは、サスペンスと笑いを同時に表現できたことにあると思っています。テレビシリーズは予行演習だったとして、それがビックリするぐらい完璧にできたのが「歳末特別警戒スペシャル」で、完全に失敗したのが「THE MOVIE」って感じですかね。(「THE MOVIE」の、あのサスペンスのなさはちょっと異様です。青島が死ぬかもっていうのに。死なないのはわかってるけどさ)
いまだにね、たまに「歳末特別警戒スペシャル」を観返すことがありますが、やっぱりおもしろい。それはいわゆる<踊るオタ>がよろこびそうな小ネタじゃなくね、ドラマの構造とか、その表現のうまさに関心するばかりなのです。
・・・・あ、それも一種のオタ的な見方ってやつか。
「踊る」も最後酷かったね。他のエントリで書いたからこれ以上は言わないけどさ。 |
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