東宝映画大好きのアタシが観た一番古い東宝映画が、今日紹介する「街に出たお嬢さん」(1938・東宝)なんです。
映画の筋立ては、世間知らずのわがままなお嬢さんが自立するが、自由を手に入れたかわりに、世間の悪意にも立ち向かわなくてはならなくなった、という、ありふれたテーマで、完全にコメディ仕立てで語られます。
主演の霧立のぼるは宝塚歌劇出身らしく、目鼻立ちの整った、現代でも十分通用するような美人です。また、いかにもお嬢様然としており、じっさいそういう<わがままなお嬢さん役>がふられることが多かったようです。
なんにせよ、霧立のぼるの美貌は映画の大きなみどころといえるでしょう。
では映画としておもしろいのかときかれれば、まぁNOですね。テンポがノロいし、登場人物の価値観も古すぎる。戦争前ということを考慮にいれたとしても、無駄なカットが多いし、シンプルきわまる話のわりに、人物の相関がわかりずらい。総体的につくりが甘すぎます。
そもそもアタシがなぜこの作品を観ようと思ったかといえば、タイトルに惹かれたんです。「街に出た・・・」ってぐらいだから、東京の街でのロケシーンが多いんじゃないかと。
ところが丸の内付近と近郊の街でのロケがちょろっとあるぐらい。そっちの面でも期待はずれでした。
しかしね、丸の内って、今とあんまり変わってないんですよね。
もちろん建物は総替えってぐらい変わってるんだけど、あの無機質な雰囲気はほとんど変わっていない。
戦前の東京を写した写真集とか見ても、銀座とか、そういう盛り場の写真ばっかりで、意外とオフィス街の写真って少ないのですよ。そういう意味では貴重ですけど、どっちにしろ、もうちょっとカメラが動いてくれないとなぁ。
そんなことより、映画を観てて、気になってしかたがなかったことがあるんですよ。
大阪の千日前に千日堂って食堂があるんだけど、突然何をいいだしたかと思われるでしょうが、最後まで聞いてください。
その千日堂のCMソングってのが関西ではわりと有名で、ずっとラジオでフルコーラス流してたからなんだけど。あの「♪ せんにちまぁえのせんにちどぉ~」ってやつですね。
でね、「街に出たお嬢さん」を観てたら、ヒロインの霧立のぼるが鼻歌で、千日堂のCMソングにソックリな歌をうたってるんですよ。はっきり歌詞は聞き取れなかったんだけど、どうもタバコの歌みたいで、最後が「♪だぁからまいにちまぁいぃば~んたばこを買いにいく~」みたいな歌詞なんだけど、これって「♪だぁからまいにちまぁいぃば~んせんにちどぉにいく~」とおんなじじゃないですか!
もちろんよーく聴くと微妙にメロディも違うんだけど、それにしても似すぎですよ。
そもそも千日堂のCMソングの作者が誰かもわからないので何なんですけど、これってパク・・いや、サンプリングですよねぇ。いや、だいたいこの曲って有名なんですかね?
誰か知ってる人、ぜひとも教えてください!とお願いしたところで、ではでは
そういやこの頃はまだ戦前にたいしての興味も知識も薄かったんだけど、とすると何で「街に出たお嬢さん」を観たのか理由がよくわからない。 まァ今は戦前の邦画の映像だけで500本は持ってるし、その中に「街に出たお嬢さん」もあるけど、こう言っちゃナンだけど、基本つまらない戦前の邦画の中でもこの映画はとくに、ね。 |
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