八木と横谷
FirstUPDATE2004.10.11
@Scribble #Scribble2004 #プロ野球2004年 引退試合 八木裕 横谷総一 ライバル 単ページ PostScript yabuniramiJAPAN

とにかく虎バンを見てから書きたいと思ってたんで。はい。あ、完全に主語が抜けてますね。そうです。八木の引退についてです。

いやいい構成でしたね、虎バン。何がよかったといっても横谷とのライバル関係をキチンを描いていたのがよかった。いや正直にいうと、ベンチで白のポロシャツを着たいつもいるオッサンを見てね、あれ誰やねんと思ってたんです。全然気づかなかったんですけど、あれが横谷だったんですね。なんか雰囲気ちゃうし、いや顔もちゃうような気がする。あんな目ぇクリクリしてたっけ?

横谷が入団を表明した日のプロ野球ニュースをいまだに鮮明に覚えています。ちょっと額は忘れましたが、ドラフト外の選手としては破格の契約金だったということでね。どうもノンプロに行く予定だったのを強引に引っ張ってきたんでそういうことになったみたいですが、高卒のドラフト外で破格の契約金、やっぱり期待してしまいますよ。
アタシの見立てでは、典型的な素材型の選手でね。足もあるし肩も強い。加えて打撃もパンチ力がある。そういう三拍子そろった選手なんて当時はほとんどいなかった。まだ秋山のデビュー前夜ですから。だからけっこう楽しみにしてたんですけどね。

で、それから三年後、横谷の高校時代のライバルだった八木が阪神に入ってくるんですけど、これが横谷と見事に同タイプ。ポジションもいっしょ。しかも順応性は八木の方が上だった。アタシはどうしても、さきに入団した、前々から注目していた横谷に感情移入していました。「両方ともレギュラーになってほしい。もし無理なら横谷ひとりでも」と思ってましたから。
結果は・・・まぁいうまでもないですね。ただ横谷が八木をどう思っていたのかずっと気になっていたんです。
でね、きのうの虎バンで横谷にもちゃんとインタビューしてて。

心の中で八木打つなと思っていたって。

うん、そりゃそうだよなぁ。現役時代はそう思うよなぁ。何から何までカブっている選手。しかも高校時代からのライバル。意識するなって方が無理な話で。
きっと八木と横谷の間にはまわりから計り知れないような感情があるんだろうなと思います。ほとんど期待されるような活躍ができないまま引退した横谷、成績的にはさほどでもないものの、文字通り「記録より記憶に残る選手」だった八木・・・。
それでもね、きのうの引退セレモニーを、横谷が全部仕切ろうとしたという話には泣いた。なんでもセレモニーの構成も横谷が考えたらしい。
どうもね、ベタかもしれんけど、アタシはこういうのに弱い。だって八木も横谷に全部やってほしかったはずだもん。

ちょっと横谷目線になりすぎたので軌道修正

最後の打席は本当に八木らしかったですね。あれが八木ですよ。
ちょっと他の人とは見立てが違うかもしれませんが、八木って選手は常に同じ精神状態で打席に入れる選手だと思うんですよ。よくも悪くも淡白。だからこそあれだけ代打で成績を残せたと思っている。
レギュラーの時はだからこそ叩かれた。チャンスでもランナーがいない時でもおんなじような感じで打席に入るから。でも代打でそんな選手がでてきてごらんなさい。相手ベンチも相手ピッチャーも不気味なことこの上ないですよ。

代打ってね、もっと力みあがってるのがふつうでしょ。それを克服してこそ代打の切り札になれる。代打本塁打の記録を持っている元阪急の高井はすべてのデータを頭に叩き込むことで冷静さを保てた。
ところが八木はレギュラーのころから力むことが皆無の選手だった上、しかも根が淡白なもんだから(ま、根は知らんが)もったいないなんて思わずにファーストストライクからでも躊躇なく振っていくことができる。そんなこんなを考えても本当に代打は天職だったんだと思います。

それがきのうの打席にもあらわれていた。あんな外のボール気味のタマをライトに軽打って。最後の打席ですよ。最後の打席なのにふつうにヒットを打ちにいってる。感極まるはずの現役最後の打席でさえあの淡白さを保てるんだから本当にたいしたものです。
たぶんこれだけ<淡白>という言葉を肯定的に使える選手はもうでてこないんじゃないでしょうか。今岡はちょっとキャラが変わったし。てかアタシの中では今岡は阪神で一番の熱血キャラですし。

まぁなんにせよお疲れ様です。そしていっぱい夢を見させていただいて本当にありがとうございました!

さすがに引退記念のエントリなんで書いてないけど、八木と横谷だったら横谷のが圧倒的に男前なんだよね。
八木の選手生命を横谷がやってたらスターになれたかもな。




@Scribble #Scribble2004 #プロ野球2004年 引退試合 八木裕 横谷総一 ライバル 単ページ PostScript yabuniramiJAPAN







Copyright © 2003 yabunira. All rights reserved.