九九
FirstUPDATE2004.9.25
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九九という漫才コンビがいる。漫才そのものは2、3回しか見たことがないんだが、それでも出所がそうなんだから便宜上そう呼ぶことにする。

なにをかくそう、アタシはデビュー当初の彼らといっしょの舞台にでてたことがある。定期的に行われていたそのイベントはプロからアマチュアまでごった煮の「なんか危険な香りのするお笑いイベント」みたいなコンセプトだった。
いっしょの舞台にでてたといっても、アタシはとあるユニットの客演として何回かでただけで全然何もやってないに等しいのだが、そのイベントにはたしかにかけだしの頃の雨上がり決死隊やバッファロー吾郎、そして九九なんかもでていた。
しかしその当時の彼らの姿をほとんど記憶していない。雨上がりやバッファローなんかのイメージは鮮烈だというのに。

初見からしてこんな感じである。当然関西ローカルのテレビに出始めたこの漫才コンビに興味を持てなかった。いやなにも嫌悪感があったわけではない。ただひたすら「ホンマにおもんないなコイツら」と思っていただけである。
アタシと同じく「九九という漫才コンビがおもんない」という人には「あれはツッコミが悪い」という人がいる。まあツッコミもたしかにアレだが、それ以上にボケが悪い。
アタシは別にエキセントリックなボケを求めているわけではない。ようは「ツッコむタイミングの難しいボケ」なのだ。ただでさえツッコミは声の立ち上がりが悪いというのに、ツッコミにくいボケ。これではなんのためのコンビなのかわからない。
東京に進出した彼らはがんばっていた。それは痛いほどよくわかるのだが、おもんなさはあいかわらずであった。

10年の月日が流れた。

ここに至っても九九という漫才コンビのおもんなさは健在である。というかびっくりするほど成長を感じない。ある意味ここまで成長しない漫才コンビもめずらしい。
しかしいっこ大きく変化したことがある。それはアタシの彼らにたいする見方だ。
テレビをみている。彼らがでている。あいかわらず「間違った選択肢」を選ぶボケ。そんな時アタシはこう思うのだ。

「がんばれ!!」

たまたま見事にボケがハマッた。よし、いいぞ!

あー、またやっちゃった・・・。まぁいい。次だ次!

必死に彼らに声援をおくるアタシ。よく「出来の悪い子ほどかわいい」というが、まるでスポーツをみるように、まるで暗黒時代の阪神を応援するように、九九という漫才コンビの番組をみるとものすごく楽しめることに気がついたのだ。
たとえば人に「お笑いとか好きですか」と聞かれたとする。

ダウンタウンは?「おもろいですよねぇ」

さんまは?「おもろいですよねぇ」

なぎら健壱は?「おもろいですよねぇ」

井上順は?「おもろいですよねぇ」

九九という漫才コンビは?「応援してます!!」

これ、アタシの中でも「Twitterなんかを全部含めて、インターネット上に一番辛辣に書いた」ネタだと思う。
ギリギリ、ネタっぽく読めるようにはしてはいるとはいえ、本当はオミットしようかとさえ思った。思ったけど、まァ記録として残そうと。




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