ファーム印象控2004
FirstUPDATE2004.5.26
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はい、令和からオコンバンワですが、このエントリ、13年後の2017年に再精査しておりまして、異例ではありますが、その版を随所に挟む形で公開します。

なので、ちょっとガタピシしたところがあるかもしれませんが、せっかく再精査した文章があるのにそれを活かさないってのも逆に変なんでね。
とにかくそんな感じで、どうぞ。

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5月25日、鳴尾浜で行われた阪神対サーパス戦を観戦してきました。(現注・サーパス=サーパス神戸。当時のオリックスブルーウェーブの二軍の名称)

この日は鳥谷が出場する&伊良部が先発ということもあってスタンドは満員。入場制限もあるときいていたので、10時半には球場についていたのですが、正解でした。
ファームのゲームをみるのは10年ぶりくらいで、いろいろ忘れていたのですが、いやー、いいもんですな。鳴り物のないスタンドからは声援と拍手と野次がコダマし、グラウンドからはボールがミットに吸い込まれていく音がはっきりきこえます。特にバットが折れた<パシンッ>という音があれほど鮮烈ということはすっかり忘れていました。
せっかく試合&試合前の練習をみてきたので、各選手の印象などを。ただし野手だけ。


□ 捕手
◇ 浅井良
アタシはやっぱりこの人を一押しします。リードが単調になりやすいのが欠点なんだけど、なにより一番雰囲気がある。バッティングもいいし、肩も強いしね。

◇ 小宮山慎二
うーん、まだ全然身体が小さいなぁ。技術的にも見劣りしてたし。かなり時間がかかりそう。

◇ 狩野恵輔
たしかに分類すれば矢野タイプだわ。でも動きが洗練されていない。バタバタしている。そんなんまだ高卒4年目なんだからしょうがないやん、といわれればそれまでなんだけど、矢野タイプを目指すなら、走攻守、すべてにおいて<洗練さ>が必要になってくると思いますよ。

◇ 中谷仁
どうも高校時代の印象が強くて、華奢なイメージだったんだけど、身体、大きくなってたな。キャッチング・スローイング・インサイドワークは一軍レベル(インサイドワークはさほどわからんけど)。ただバッティングがねぇ。これほど打てそうな雰囲気がないのも珍しい。

以下、2017年執筆
以上、捕手編でした。
今年(現注・2017年)で狩野が引退し、まさかまさか、生き残りが小宮山だけになったってのは当時を考えるなら驚きです。(現注・小宮山は2019年引退)
浅井はどうしても送球がシュート回転する癖が治らず外野コンバート、狩野もキャッチャー出来る腰の状態じゃなくなってしまい、これまた外野にコンバート、と、結局誰も「矢野の後釜」を担えなかったのは残念でした。



□ 内野手
◇ 秀太
試合前の練習で、秀太を中心に輪ができていたのが印象的。二軍でもムードメーカーという感じ。やっぱり一軍経験者だけあって、他の選手に比べてプレーも洗練されている。出塁したら何度もスタートをきるフリをしてピッチャーをけん制していたし。

◇ 鳥谷敬
「もしこのメンバーで誰を推すか」と聞かれれば文句なしこの人。相手投手は今年の開幕投手である具台晟です。他の選手がついていくのにやっとの状態なのに、鳥谷ひとり、きっちりボールをとらえてました。ホームランももちろんよかったけど、最後の打席のライトライナーも内容があった。アウトになったけど、盗塁も試みた。そういう積極姿勢も買います。

◇ 片岡篤史
練習ではさすが!という動きをみせてたんだけどね・・・。(現注・この頃怪我でファーム落ちしており、この試合で久しぶりに実戦復帰の予定が、試合前の練習で再び怪我が悪化し未出場)

◇ 上坂太一郎
ああいうことがあった(現注・交通違反でこの試合の4日前に有罪判決を受けた)から、逆に期待してんだけどねぇ。守備はあいかわらず可もなく不可もなく。打撃は・・・どうも自分の持ち味を勘違いしている気がする。

◇ 新井亮司
攻守ともにまだまだ。もはや「野村二世」の可能性は・・・・。

◇ 喜田剛
もしふつうに外野を守れたらレギュラーで使えるとは思うけど、一塁しか守れないのであれば、最低初優勝当時の松中(.268 23本塁打)くらい打てなければしんどいと思う。

◇ 梶原康司
特に悪いところはないが、逆にいえば特徴がない。もうちょっとパンチ力があるとか、足が速いとか、そういうのがあればいいんですけどね。

◇ 萱島大介
自慢の足はみれず。課題のバッティングもみれず。で、みたのは守備だけなのだが、なんか戦前のプレーヤーみたい。特にスローイングが。

以下、2017年執筆
いやぁ、ずいぶん懐かしい名前が多いですなぁ。新井亮司とか萱島とか、自分でもコピペしてて懐いわ。つか萱島の下の名前って「大介」だったのか。
上坂はね、2001年くらいまでは本当に期待されていたんですよ。足が速くて意外とパンチ力がある。今でいえば上本タイプというか上本のプロトタイプというか。
変な話、もし星野が監督にならずに阪神の暗黒時代が続いていたら、おそらく上坂は完全なレギュラーになっていたと思う。ま、逆に言えば上位チームのレギュラーには一歩も二歩も足りなかったってことなんだけど。

んで、やっぱ、鳥谷ですよね。
おそらくプロに入って以降、一番悩んでいたのがこの時期だったと思うのですが(去年(現注・2016年)もたいがい悩んでたんだろうけど)、それでもファームでは格の違いを見せつけていました。それはすごい印象にある。
だけれども、今振り返ると当時は別に選球眼が良いって印象が皆無だったんだよね。いつからあの鬼選球眼を身につけたんだろ。


□ 外野手
◇ 中村豊
いやびっくりしましたよ。ここまで身体が小さいとは。小宮山はまだ高卒ルーキーだからわかるんですが、この人は大卒で9年目ですからね。

◇ 藤原通
守備も打撃も地味だなぁ。オープン戦をテレビでみた時と印象がいっしょですね。

◇ 林威助
「RIN」ではなく「LIN」なんですね。

◇ 桜井広大
次代のスター。この日は打てなかったけど、スイングにオーラを感じました。あとは守備ですね。せめてバタバタしなくなったらいいんですけど。

◇ 早川健一郎
体格は一番。打席でも迫力があるんだけど、ランナーなしの場面で当てにいくのがなぁ。それでもアタシはこの人を一軍にあげる派です。

以下、2017年執筆
しっかし中村豊のこと、ボロカスに書きすぎだわ。当時の自分に言ってやりたい。あと1年と4ヶ月後に中村豊に救われることになるんだぞ、と。
何か今見ると藤原通を外野手扱いしてるのは変だな。たしか外野手として入ってきたんだっけ。憶えてるのはこの時だかその後だったかは忘れたけど、オバちゃんの追っかけがついてて、そのオバちゃん方が「トールちゃん!トールちゃん!」って叫んでたことくらいだわ。
トールちゃん!って顔でもないと思うんだけどね。江越似だし。つか完全に酒井くにお・とおるの漫才のネタだよ。トールちゃん!

んで、桜井ですよね。
いや、才能があったかなかったかでいえば、アタシは今でもあったと思ってる。そこまで外の変化球にクルクルってわけでもなかったし、軽いスイングで飛距離が出る。これは広島→巨人の江藤タイプだな、と。
ただ打撃以外の意識が低すぎた。これもいつだったか忘れたけど一軍の試合を観戦した時ですが、試合前、そしてイニング間のキャッチボールをヤル気なさそうにテキトーにやってた姿は今でも目に浮かびます。
結局守備にたいする意識が低いというよりは、野球という「仕事」に意識が低かったんだろうと。ちょうどその頃は金本とかいい見本がいたから何とかなるだろうと楽観視してたけど、でもどうにもならなかったね。


せっかくなんで、ついでにこの日に登板したピッチャーのことも。

◇ 伊良部秀輝
まだまだ。あいかわらず走られまくるし、追い込んでからフォークを見送られる。ただ4回2アウト満塁からは本気をだしたのか、かなりのスピードボールを投げてました。

◇ 筒井和也
簡単にいえば、あんまり身体のブレない岡島。スピードガンはでてなかったみたいだけど、タマの力はありそう。しかし思いっきり投げたらまったくコントロールがつかない。しかも緩急がまったくない。まだ時間がかかりそう。

◇ 吉野誠
ホームランは打たれたけど、アタシ的にはよかったと思う。だいぶ元に戻ってきた。

◇ モレル
・・・・・わからん。いい当たりがことごとく野手の正面に飛ぶのはどういうことなのか。

◇ 伊代野貴照
久々にみた。だけど去年一軍で投げていた時より劣ってみえたんだけど・・・・。

◇ 中林佑輔
打たれたからいうんではないが、コントロール・球威ともにまだファームレベルですね。

以下、2017年執筆
アタシが唯一まともに野球の話が出来る友人が「伊良部はいいぞ!絶対あなたも好きになる」って力説していたことを憶えています。あ、もちろん2003年のことです。
それが終盤になって調子を崩して、んでアタシが生涯唯一観に行った日本シリーズの第6戦。「ピッチャー伊良部」とコールされて、あろうことか一塁側のダイエーホークスファンから大歓声。
ああ、これがEが大絶賛していた伊良部なのか、と。
2004年になるともっと酷くなっていて、ストレートは捉えられる、フォークは見極められる、ランナーが出たら走られ放題、と目を覆いたくなるほどの惨状を繰り返していました。
この日も立ち直りのきっかけにはならず、寂しく阪神を去りました。そしてあんなことになってしまった。
今でももったいなかったと思うのは、友人が絶賛した「良い頃の伊良部」を見れなかったこと。アタシが当時、いくらブラックに近い会社に勤めたとはいえ、悔いが残ります。

筒井は伸びなかったねぇ。つか最後までどんなピッチャーなのかわからなかった。
良い時は速球でどんどん押し込める。悪いと球は遅いし、これといった変化球もない、という。一応ストレートが武器だったんだろうけど、肝心のストレートにムラがありすぎたっつーか。
そんなに投球フォームをコロコロ変えるってタイプじゃなかったけど、見る度に別の投手が投げてるみたいで。結局最後まで自分の形を作れなかったんでしょうね。(現注・筒井は自分が散々<自分探しの旅>に出ていたせいか、令和になってから独立でもまったく目立った成績ではなかった湯浅を発掘するなど、独自視点のある優秀なスカウトになりました)
モレルは遠山に顔が似てたことくらいしか憶えてないし、中林はスペックだけ。スピードガンは出てたんだろうけど、もうホントにそれだけでした。


あとね、試合前に表彰式があったんだけど、けっこう賞金やら賞品がでるんですよ。でもファームの試合が対象になった表彰って必要なのかなぁ。なんとなく納得できません。

以下、2017年執筆
こうして見ると、若手が順調に伸びるのが如何に困難なことかよくわかります。これは別に阪神だけのことではなく、どこ球団にも言えることだと思う。
今年指名された新人選手も全員期待しているけど、まァ、そうそうは上手くは、ね。
アタシから言えることがあるとするなら

・致命的な怪我をするな
・たしかに「欠点を直すより長所を伸ばせ」ってのは正しい。ただし致命的な欠点だけは克服せよ
・プロ野球選手にとって野球は「仕事」。「仕事」で成功したいと思え

何だか読みづらくなっちゃったけど、本当にアタシの見立てなんかデタラメもいいところってのがよくわかった。まるで当たっていない。典型的な素人見立てというか。
ま、「まるで見当違いな素人見立て」を笑っていただければ、と。




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