ハマりそうでハマれない市川準
FirstUPDATE2004.2.9
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去年(現注・2003年)の年末、チケットをもらったので「しかたなしに」といった感じで「ブルース・オールマイティ」(2003・米)を観に行きました。もちろんひとりで。

ふつうのロードショーを観に行ったのは何年ぶりだろう。たぶんこの前に行ったのは「のど自慢」(1999・シネカノン)だったから4年ぶりになるのか。ちなみにこの時ももらったチケット。さらにその前はというと「もののけ姫」(1997・東宝、スタジオジブリ)ですからね。(さすがにこの時は自腹だった)
「ブルース・オールマイティ」は別に感想はありません。時間損したとまでは思いませんけど、観てよかったとは到底思えなかったわけでして。ただ確実にいえるのは、これでさらにふつうのロードショーから足が遠のくなと。これなら昔の邦画のビデオを観ている方がよほど有意義だなと。

別にロードショーを避けているわけではないんですよ。面白そうなモノならぜひ足を運びたいと思っている。でもないんですよ。たけしの「座頭市」とかも興味はあったんですが、いろいろ考えていくうちに「ビデオでいいか」となってしまう。
たぶん根が不精なんでしょうね。いわゆる名画座なら、たいがい1日限りだし、ビデオにもなっていないものがほとんどなので、もう当日いくしかないわけです。しかしロードショーならまぁ2週間くらいはやっているし、そのうちビデオになるだろうし、結局まっいいかとなっちゃうんですね。

現役の監督で気になる人とかもね、いないではないんですけど。たとえば市川準なんかわりといいとこをついた(あくまでアタシにとって)企画の映画を撮っているんですよ。でももうこわくて観れないんです。

なにしろ市川準作品は2本しか観たことがないんですけど、2本ともえらく期待してみて、でも2本とも「なんだかなぁ」て思っちゃったから。
「会社物語」(1988・松竹)はいうまでもなくハナ肇主演・クレージーキャッツが共演という、まぁよくぞやってくれたという企画だったんですけど、とにかく観ていてしんどかった。別にかつての東宝クレージー映画の再現を求めていたわけじゃないですよ。この映画の狙いはわかるし、はじめからそのつもりで観たんだけど、けどつまらなかった。<哀しさ>や<時間がもたらす残酷さ>は一切感じず、ひたすらイヤな感じだけが残った。

もうひとつは「トキワ荘の青春」(1996・カルチュア・パブリッシャーズ)なんですけど、アタシは藤子不二雄の大ファンなんです。実は。
当然「まんが道」は大好きで(「まんが道」が原作ではないけれど)、トキワ荘の存在にも思い入れがある。その世界をキチンと映画化したというので、やっぱり期待してしまったんです。
でもねぇ、観終わった感想は「会社物語」といっしょ。つまりは「やりたいことはわかるんだけど・・・」ってやつでした。テラさんを主役にするのなら、もっと描かなきゃいけないエピソードがあるだろうと思うし。

一番手っ取り早いのは赤塚不二夫との対比をしっかり描いたら、物語としてわかりやすかったはずなんです。きっかけをつかみどんどんのし上がっていく赤塚。自分の発言にどんどん縛られていくテラさん、みたいに。
でもそれをやりたくなかったのなら、完全に群集劇にしたかったのなら、やっぱりもっと違ったやり方があったんじゃないですかねぇ。(たとえば石ノ森章太郎のお姉さんを交えて、トキワ荘のメンバーでハイキングに行ったエピソードをクライマックスにもってくるとか)

すごい才能がある人というのはよくわかる。アタシの好みにもかなり近い部分がある。だから、なんかハマれないアタシが悪いのかなぁなんて考えてしまうんです。

「トキワ荘の青春」の唯一の取り柄は、藤子不二雄の安孫子先生もおっしゃってたように(いや安孫子先生は<唯一>とは言ってないけど)、エンディングの「胸の振子」でしょう。
この曲、ホントにいいのよ。ある意味この時期の服部良一らしくないクールな名曲です。




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