「こんにちは赤ちゃん」の衝撃
FirstUPDATE2003.11.17
@Scribble #Scribble2003 #東宝 #映画 #1960年代 スカパー こんにちは赤ちゃん 小林桂樹 @ハナ肇 @谷啓 衛星劇場 単ページ PostScript

ウチね、一応スカイパーフェクTV(現注・もちろん現在のスカパー)ってやつに入っているんですけどね。

スカパーで東宝といえば「日本映画専門チャンネル」なんだけど、ウチはマンションの共聴アンテナを使っているんで映んないんですよ。まぁ最初からわかっていたことなんですけどね。(では何故にスカパーに入ったか。それは当然阪神の・・・)
さいわいチャンネルNECOは映るんで、ごくたまーにやる東宝作品を楽しみにしてんだけど、実際少ねーんだな、これが。
衛星劇場も映るんだけど、ほら、高いから。松竹作品でも観たいのはあるし、NECOより東宝作品をやる確率は高いんだけど、月1800円はねぇ。

スカパーってチューナー買ってきて仮登録すると、2週間全チャンネルが無料で観れるんですけど、その期間中なにげなくEPG(電子番組表)をみていると、衛星劇場で「こんにちは赤ちゃん」ってあるんですよ。
まぁてっきり日活版だと思って、一応ビデオ撮っておくかとセットしておいたんですけど、始まってビックリ!東宝版ではないですか!(よく考えたら衛星劇場で日活版をやるわけがない)

実はこの東宝版「こんにちは赤ちゃん」(1964・東宝)こそ、アタシを東宝の虜にした記念碑的な作品なんですよ。
アタシが中学生のころ、よく深夜に<懐かしの邦画劇場>みたいなタイトルで、毎日のように60年代の邦画をやっていたんですよ。それにものの見事にハマったリア厨のアタシだったんですけどね。
ただハマって観てたわりには、どんな映画があったのか、あんまり憶えていない。せいぜい松竹のドリフ映画をいっぱいやってたな、とかそれくらい。
そういえば「セックスチェック・第二の性」(1968 大映)はわりと鮮明に憶えているな。緒方拳が主演でね。あんまり面白くなかったけど、わりとセンセーショナルな内容だからでしょうね。エロシーンがあったし。なんせ中学生だから。(これって増村保造なんよね。むろん当時はそんなこと一切知らんかったけど)
そんな中で、ダントツに面白かったのがこの「こんにちは赤ちゃん」なんです。とにかく印象は圧倒的でしたね。

小学生の頃、洋画党の親に「面白いから」とすすめられて観た「サウンド・オブ・ミュージック」(1964・米)とかね、まぁ悪くはないんだけど、個人的には古ーい「オズの魔法使」(1939・米)の方が面白かったくらいで。
とにかくミュージカルにさほどいい印象がなかったんですよ。
「こんにちは赤ちゃん」はミュージカルではないんだけど、わりと自然に歌が入るでしょ?今考えると東宝の得意技なんだけど、セミミュージカルというかね、そういうレビューシーンがはさみこまれるのがすごくよくてね。

でもこれは中学時分の感想で、当然それから結構いろんな映画とか観てるわけですよ。だからあらためて観るのって怖かったんです。「今の目で観てつまらなかったらヤだな」って。
ところが実際に観てみると・・・これはちょっとビビりました。はっきりいえば、想像していたよりずっと上質のハートウォーミングコメディだった。こんなにデキがよかったのかと。そりゃ中学生のアタシもハマるわなと。

今観るともちろん新たな発見もあるわけですよ。
たとえば「小林桂樹が軽く演じてていいな」とか「ハナ肇と谷啓のカラミがある!」とか。
でもそんなのはオマケです。とにかくなんでもないありがちなハナシを、コマメに起伏をつけて(梓みちよの感情の変化とか、本当にうまい!)、観ている人を気持ちよくさせる松林宗恵に感服ですよ。

「今までで一番おもしろかった映画は?」ときかれても、けしてこの作品の名前はださないけれど
「人生を変えた映画は?」ときかれたら、もうこれしかないわけです。アタシの場合。

「こんにちは赤ちゃん」は一応映像を所有していますが、非常に残念なことにSD解像度だし、画質自体も相当悪いんですよ。
いい加減スカパーでやって欲しいわ。




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